ベテラントレーダーのピーター・ブラント氏は、ビットコインについて、新たな強気相場入りを裏付ける明確なテクニカルシグナルはまだ確認できないとの見方を示した。市場では50週移動平均線と一目均衡表の回復が焦点となるほか、長期間動いていなかったBTCの移動も警戒材料として浮上している。
ブロックチェーンメディアのU.Todayを3日(現地時間)に報じた。ブラント氏は、足元の週足チャートからは強気相場入りが差し迫っているとは判断しにくいと指摘した。
同氏はX(旧Twitter)にビットコインの週足分析チャートを投稿し、「古典的なチャート分析家として見れば、現時点で強気相場が目前に迫っていることを示す材料は見当たらない」との認識を示した。あわせて、ノーススター・チャートによる弱気寄りの見方にも同調した。
投稿された分析では、ビットコインは今年初めに50週移動平均線と一目均衡表の雲を下回った後も、主要なレジスタンスラインの下で推移しているとされる。週足ベースのトレンドもなお弱いという見立てだ。
特に、サイクル高値圏で上昇ウェッジを下放れした後、50週移動平均線を複数回にわたって回復できなかった点が弱材料とされた。
ノーススター・チャートは、ビットコインが過去に強気相場を再開した局面では、50週移動平均線と一目均衡表を同時に回復する動きがみられたと指摘している。今回も持続的な反発に移るには、まず雲を明確に上抜ける必要があり、それまでは下落余地が残るとの見方だ。
ブラント氏は追加下落を断定してはいないが、足元の値動きだけで直ちに強気反転を見込むのは難しいとして慎重姿勢を示した。「市場はまだ底打ちを確認していない」としたうえで、「持続可能な安値は2026年10月以前には形成されにくい」と警告した。
市場の不確実性を高める材料としては、長期間動いていなかったBTCの移動も挙がっている。CryptoQuantのアナリスト、マルトゥーン氏は、直近のブロックで10年以上動いていなかった500BTCと、3~5年休眠していた746BTCが移動したと明らかにした。
長く休眠していたビットコインが動くと、売却に向けた動きではないかとの警戒感が強まりやすい。ただ、こうした移動が直ちに取引所への送金や実際の売却を意味するわけではない。
一方で、市場の一部では楽観論もくすぶる。暗号資産アナリストのルーク・マーティン氏は、ジム・クレイマー氏が保有するビットコインをすべて売却すると述べた内容を伝えたKalshiの投稿を引用し、「ビットコインに星が整列している」と投稿した。
クレイマー氏の相場見通しは、これまで暗号資産市場では逆シグナルとして受け止められることが少なくなく、今回の発言もかえって強気材料とみる参加者がいた。
足元のビットコイン市場は、テクニカル面の弱気シグナルと投資家心理の楽観論がせめぎ合う構図となっている。当面は、50週移動平均線と一目均衡表の雲を回復できるかに加え、長期保有BTCの移動が実際の売り圧力につながるかが主な注目点となりそうだ。