今回の承認で、BaaSの国際標準化が本格的に動き出した。写真=Shutterstock

中国が提案したブロックチェーンのサービス基盤「BaaS(Blockchain as a Service)」に関する国際標準化プロジェクトが、国際標準化機構(ISO)で新規作業項目として承認された。企業がブロックチェーン基盤サービスを導入する際の共通基準づくりが進むことで、関連インフラを巡る主導権争いが活発化する可能性がある。

ブロックチェーンメディアCoinPostが3日に報じたところによると、今回承認されたのは「ブロックチェーンおよび分散台帳技術におけるBaaSの技術フレームワークと機能要件」に関する標準化案件。中国の提案に基づくもので、ドイツ、英国、アイルランド、日本、ポルトガル、ウガンダなどが参加する予定だ。

BaaSは、クラウド環境を通じてブロックチェーンインフラを提供するサービス形態を指す。企業は自前でブロックチェーンネットワークを構築しなくても必要な機能を利用できるため、構築コストや運用負担の軽減につながる手法として、企業向けブロックチェーン導入で注目されてきた。

標準化は大きく3分野で進められる。まず基盤・ネットワーク分野では、ブロックチェーンネットワークと基盤リソースの構築・運用に関する基準を整備する。

サービス管理・スマートコントラクト分野では、プラットフォームが提供するサービス項目の整理に加え、スマートコントラクトの作成から廃止までのライフサイクル管理手法の統一を図る。

データ連携・セキュリティ分野では、オンチェーンデータへのアクセス方式やプライバシー保護、セキュリティ、コンプライアンス体制に関する基準を明確にする。

BaaS市場はすでに急拡大している。業界調査では、BaaS基盤上で構築されたブロックチェーン活用プロジェクトは10万件を超えたとされる。用途も、サプライチェーン金融、商品履歴の追跡、電子証拠の保全など、企業業務の幅広い領域に広がっている。

一方、企業の導入現場では、プラットフォーム間の互換性不足や運用基準の不在が大きな課題とされてきた。異なるBaaSプラットフォームを利用する場合、システム連携やデータ移行の過程で追加コストが発生しやすいためだ。

ISOでの標準化が完了すれば、企業はブロックチェーンインフラ導入時に共通の評価基準を使えるようになり、プラットフォーム間の相互接続性の改善も期待される。とりわけ企業向けブロックチェーン市場では、単純な処理速度よりも、セキュリティや運用安定性、既存システムとの統合のしやすさが重要な選定基準になっている。

今回の承認により、中国はブロックチェーン技術に加え、インフラ標準の分野でも国際的な影響力を強めることになりそうだ。参加国が欧州、アジア、アフリカにまたがるだけに、標準策定の過程で各国の産業上の要件がどこまで反映されるかが今後の焦点となる。

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