Berkshire Hathawayのウォーレン・バフェット会長は、ビッグテック各社が進める人工知能(AI)関連の巨額投資について、単なるバブルではなく、次世代産業を支えるインフラ整備との見方を示した。AI時代には、こうした投資を支えられる財務基盤を持つ企業の競争力が一段と重要になるとの認識も示している。
1日付のTechRadarによると、バフェット氏は7月のCNBCのインタビューで、急拡大するAI投資について「実際の資金が投じられている」と述べたうえで、「いま起きているのは実験ではなく、実物のインフラを築くプロセスだ」と語った。
Meta、Microsoft、Amazon、Alphabetなどの主要ハイパースケーラーは、AI向けデータセンターや半導体、ネットワーク基盤の整備に巨額の資金を投じている。業界では、4社のAI関連支出が2026年に最大7500億ドル(約11兆2500億円)、2030年には最大4兆5000億ドル(約675兆円)に達する可能性があるとの見方も出ている。
一方で、これだけの投資規模に対し、AI事業の収益性はなお十分に立証されていないとして、市場の一部では過熱感やバブル懸念を指摘する声もある。
ただ、バフェット氏はこうした見方とは距離を置く。現在のAI投資を19世紀の米国の鉄道網建設になぞらえ、当時の鉄道建設を上回るほどの資金が投じられているとの認識を示した。AI投資は短期的な流行ではなく、将来の産業を支える基盤整備だというのが同氏の見立てだ。
こうした見方は、Berkshire HathawayのAlphabet投資にも表れている。Berkshire Hathawayは昨年11月にAlphabet株1785万株を新規取得し、今年6月にも約100億ドル(約1兆5000億円)を追加投資した。Alphabetが巨額のAIインフラ投資を継続できるだけの十分なキャッシュフローを確保している点を評価したと伝えられている。
バフェット氏は、AI時代にはソフトウエア中心の事業構造から、データセンターや計算資源といった物理インフラの重要性が大きく高まるとみている。過去にはソフトウエア企業を「アセットライトな事業」と捉え、投資に慎重だった自身の判断が誤りだったと認めてきた経緯もあり、AI時代にはインフラ面の競争力が企業価値を左右するとの含意もにじむ。
とりわけAI投資の規模は、従来のクラウド事業拡大とは次元が異なるとの見方を示した。ビッグテック各社はこれまでクラウドサービス向けにデータセンターを拡張してきたが、AIが必要とする計算能力や電力、設備投資の水準はそれを大きく上回るという。
今回の発言は、AI投資の過熱を巡る議論が続くなかで出た。AI産業では、大規模データセンターや半導体、電力、冷却設備などへの巨額投資が不可欠とされる。市場では、ビッグテックが積極投資をどこまで維持できるか、またその支出が実際の収益につながるかが主要な焦点になっている。
バフェット氏は現時点で、AI投資の拡大を「泡沫的なブーム」ではなく、次世代産業基盤の構築と位置付けている。そのうえで、こうした投資を支えられる財務余力を持つ企業ほど優位に立つとの見方を示した。