写真=Coldcard公式サイト

Coldcardのハードウェアウォレットで脆弱性が判明したことを受け、ビットコイン投資家の資産移転が急増した。アクティブアドレス数は約100万件に迫り、2024年12月以来の高水準を記録した。送信アドレスの増加に加え、取引所への入金や長期保有BTCの移動も目立っている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostが3日に伝えたところによると、オンチェーン分析会社CryptoQuantは、7月31日のビットコインのアクティブアドレス数が約100万件に達し、2024年12月10日以降で最も高い水準になったと分析した。

今回の増加では、受取側より送信側のアドレス増加が目立った。CryptoQuantのアナリスト、フリオ・モレノ氏によると、アクティブアドレス数は7月30日の約64万5000件から翌日にかけて急増し、主に送信目的のアドレス増が全体を押し上げた。新規の受取アドレス増は比較的限定的だったという。同氏は、セキュリティ不安を受けて投資家が資産を緊急移転させた結果との見方を示した。

背景にあるのは、Coldcardハードウェアウォレットのセキュリティ欠陥だ。ColdcardはカナダのCoinkiteが開発したビットコイン専用のハードウェアウォレット。2021年3月のファームウェア統合の過程で、一部端末のシード生成にハードウェア乱数生成器ではなく、ソフトウェアベースの擬似乱数が使われていたことが確認された。

この脆弱性が悪用された場合、攻撃者は端末そのものを物理的に確保しなくても、秘密鍵を再現できる可能性があるとされる。

実際の被害も確認されている。流出は7月30日から複数回発生しており、Galaxy Researchは8月1日時点で、約4585アドレスから計1367BTC(約8900万ドル、約134億円)が盗まれたと集計した。

オンチェーンデータからも、投資家の緊急対応がうかがえる。7月31日には、10BTC未満のアドレスによる取引所への入金量が約7300BTCまで増え、2月6日以降で最高を記録した。

CryptoQuantのアナリスト、JA・マルトゥン氏は、脆弱性の公表後、長期間動いていなかったUTXOから約7万7402BTCが移動したと明らかにした。これについて同氏は、長期保有者による売却の兆候ではなく、資産保全を目的とした移転だと解釈している。

今回の動きは、2022年のFTX破綻時とは対照的だ。当時は取引所リスクを警戒した投資家が、取引所から個人ウォレットへ資産を移す動きが中心だった。一方、今回は脆弱性が確認された自己管理型ウォレットから、より安全な保管手段へ移そうとする動きが広がり、取引所への入金増として表れたとみられる。

市場では今回の事態について、特定のハードウェアウォレットの欠陥にとどまらず、ビットコインのオンチェーン活動全体に影響を及ぼした事例との見方が出ている。アクティブアドレスの急増、送信アドレスの拡大、取引所入金の増加が同時に確認されたことで、今後の追加流出の規模や資産移転の行方に関心が集まりそうだ。

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