Samsung Electronicsの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8」と「Galaxy Z Fold8 Ultra」は、同じFoldシリーズでも使い勝手の方向性が異なる。英TechRadarが2日(現地時間)に報じた比較では、Fold8 Ultraが画面サイズで上回る一方、NetflixやYouTubeなどの動画視聴では、画面比率の違いからGalaxy Z Fold8のほうが有利な場面があった。
Galaxy Z Fold8は7.6型の内側ディスプレイに4:3の画面比率を採用。動画視聴やSNS閲覧など、コンテンツを楽しむ用途で強みを示した。
一方のGalaxy Z Fold8 Ultraは、8型ディスプレイと10:9の画面比率を採用した。作業スペースは広く取れる半面、映画やYouTubeなどの横長コンテンツでは、黒帯が大きく表示されるケースが目立った。
今回の比較で焦点となったのは、単純な画面サイズではなく画面比率だ。Samsung ElectronicsはGalaxy Z Fold8の比率について、「コンテンツ鑑賞の新たな基準」と説明している。
実際、NetflixとYouTubeの視聴時には、Galaxy Z Fold8のほうがGalaxy Z Fold8 Ultraより表示効率が高かった。上下の黒帯が比較的小さく、縦型コンテンツでも左右の余白を抑えやすかったためだ。
特にGalaxy Z Fold8では、10:16表示時にコンテンツが前面カメラ周辺まで広がり、画面をより広く使える場面が確認された。Galaxy Z Fold8 Ultraでは、同じ表示条件でも差がみられた。
もっとも、すべての条件でGalaxy Z Fold8が優位だったわけではない。3:4表示では、Galaxy Z Fold8のほうがGalaxy Z Fold8 Ultraより黒帯が大きくなった。Samsung Electronicsは、この向きが電子書籍やWeb閲覧など、縦方向の情報を扱う用途に適していると説明した。
Instagramのリール視聴では、両モデルの差は大きくなかった。重量はGalaxy Z Fold8が201g、Galaxy Z Fold8 Ultraが215gで、14gの開きがある。短尺動画を長時間視聴する使い方では、軽いモデルのほうが負担を抑えやすい可能性がある。
こうした違いは製品戦略にも表れている。Galaxy Z Fold8は比較的小型で価格も抑えられており、動画視聴やSNS利用といったメディア消費を重視したモデルと位置付けられる。これに対しGalaxy Z Fold8 Ultraは、より大きな画面と上位のカメラ構成を前面に打ち出し、生産性と高機能を訴求する。
画面の使い方も明確に分かれる。Galaxy Z Fold8は動画視聴やSNS中心の利用に向き、Galaxy Z Fold8 Ultraはスプレッドシート作業やマルチタスクなど、広い作業領域を必要とするユーザーに適した設計だ。
ただし、今回の比較は各サービスの対応範囲内で実施された。Netflixでは、Galaxy Z Fold8の16:10表示とGalaxy Z Fold8 Ultraの21:9表示を同条件で比較できず、Instagramでも一部の画面比率の組み合わせは適用できなかった。
今回の比較が示したのは、「大きな画面が常に優れた画面とは限らない」という点だ。Galaxy Z Fold8は画面比率を通じてコンテンツ視聴体験を高め、Galaxy Z Fold8 Ultraはより広い作業空間の確保に軸足を置いた。
折りたたみスマートフォン市場では、競争軸が単純な画面サイズから、用途に応じた使い分けへ移りつつあることが浮き彫りになった。