イーサリアム(写真=Shutterstock)

イーサリアムは7月、現物ETFへの資金流入と企業の買い増しを背景に、上昇率でビットコインを上回った。ただ、ETH/BTCに関するオンチェーン指標は過去の底値圏にまだ達しておらず、市場ではトレンド転換を断定するのは時期尚早との見方が出ている。

2日、CryptoSlateによると、イーサリアムは7月に19%上昇し、一時1970ドルまで上昇した。その後は1880ドル前後まで押し戻された。一方、同期間のビットコインの上昇率は8%にとどまり、6万5000ドル超えを何度か試したものの定着には至らなかった。

これに伴い、ETH/BTC比率は3カ月ぶりに0.030を上回った後、0.02962まで低下した。それでも直近1カ月では10%超上昇している。

市場では、長く低迷していたイーサリアムに資金が戻るとの期待が強まった。実際、7月のイーサリアム現物ETFの純流入額は3億6517万ドルと、年初来で最大の月間流入となった。

対照的に、ビットコイン現物ETFへの流入額は同期間に1億7243万ドルにとどまり、2024年1月の上場以来で最も小さい月間流入だった。

イーサリアム現物ETFの資金フローは、直近2カ月で計10億ドル超の流出となっていた局面から明確に持ち直した。さらに、Morgan Stanleyのイーサリアム・トラスト「MSSE」が新たに上場し、上場後数日で約2000万ドルの資産を集めた。

規模は既存商品に及ばないものの、Morgan Stanleyは約1万6000人のフィナンシャルアドバイザーと、約7兆ドルの顧客資産基盤を持つ。手数料も0.14%とされ、既存のイーサリアリアム現物ETFとの競争を促す材料として注目された。

企業の資産運用戦略でも差が出た。イーサリアムを多く保有するBitmineは7月、毎週保有量を積み増した。ただ、買い増しペースは徐々に鈍化した。

Bitmineのイーサリアム保有量は、6月末の約570万ETHから7月26日時点で579万ETHに増加した。一方、ビットコイン保有量で知られるStrategyは、7月に追加購入を実施しなかった。

マイケル・セイラー氏が率いる同社は、現金保有の拡大と優先株関連の対応に軸足を置いた。

もっとも、7月のイーサリアム高だけで構造的な底入れを判断するのは難しい。TradingViewベースでは、ETH/BTC比率は年初来でなお13%低く、2017年の高値0.11と比べると約73%低い水準にある。

足元では0.028前後の複数年ぶり低水準で下げ止まったものの、ビットコイン対比での劣後を十分に埋め切ったとは言い切れない。

CryptoQuantの指標も同様の傾向を示している。ETH/BTCのMVRV比率は、2025年8月の0.95から足元では0.65まで低下した。イーサリアムの割高感がかなり解消されたことを示す一方、構造的な底値が形成された2019年と2025年初には0.45を下回っていた。

現水準は、過去の反転局面でみられたほど評価圧縮が進んだ状態にはなお届いていない。

取引所フローのデータも、底打ちシグナルがそろったことを示してはいない。取引所に預け入れられたETHとビットコインの比率は、昨年8月には1.5を上回っていたが、現在は約0.8まで低下している。

相対的な売り圧力は大きく和らいだものの、過去にETH/BTCが反転した局面では、この比率は0.4近辺まで低下していた。最も強い分散売りは通過したとしても、過去の底値局面と同程度の枯渇水準にはまだ達していないことになる。

総じてみれば、7月のイーサリアム高は、現物市場に加えてETF資金と企業需要が同時に支えた動きといえる。ただ、より大きなトレンド反転につなげるには、ETH/BTCが0.030超で下値を固めるとともに、バリュエーションと取引所フローの指標も過去の底値レンジに近づく必要がある。

現時点では、循環的な底入れが確認されたというより、売り込まれた水準からの自律反発とみる見方が優勢だ。

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