ビットコインは7月、利上げ懸念やAI関連資産の売り、大型セキュリティ事故といった逆風をこなし、月間で約8%上昇した。市場では8月相場の注目材料として、米雇用指標とビットコイン現物ETFへの資金流入が再び強まるかどうかに関心が集まっている。
Cryptopolitanが1日(現地時間)に伝えたところによると、市場参加者は次の値動きを左右する要因として、雇用関連指標と現物ETFの資金フローを注視している。
市場がまず注目したのは、6月末の急落後にレバレッジの巻き戻しが相当程度進んだ点だ。当時、ビットコインは5万8000ドルを下回り、過度な借り入れを伴うポジションの清算が大量に発生した。
その後はデリバティブ市場でレバレッジのエクスポージャーが低下し、追加的な下押し圧力が和らいだとの見方が出ている。
実際、7月初旬以降の1日当たり平均清算額は、今年に入り複数回記録した4億〜9億ドル規模のピークを下回った。こうした構造変化は、FRBの利上げ局面が続くなかでもビットコインが持ちこたえた一因とみられている。
一方で、他のリスク資産とは値動きに違いもみられた。7月最後の取引日にはビットコインとイーサリアムが大きく下落した一方、韓国KOSPIは15%超上昇し、米株価指数先物は史上最高値を更新した。
リスク選好が全般に戻る局面でも、暗号資産市場には固有の売り圧力が残っていたことをうかがわせる。
セキュリティ面の悪材料も相次いだ。セルフカストディ型ハードウェアウォレット大手のColdcardでは、大規模なセキュリティ侵害が発生した。
この攻撃では少なくとも3800万ドル相当のビットコインが盗まれたとされる。Galaxy Researchは、被害総額が暗号資産ベースで約7000万ドルに達する可能性があると試算した。
それでもビットコインは、月間では上昇基調を維持した。
今後の焦点は、8月に相場変動が大きくなるかどうかだ。複数のアナリストは、市場が追加利上げへの警戒と将来の利下げ期待の間で綱引きを続けているとみている。
あるアナリストは、投資家心理がハト派期待とタカ派警戒の間で揺れており、この構図が高ボラティリティ資産の重荷になっていると指摘した。
Bitfinexのアナリストも、8月に同様の地合いが続くと予想した。市場はロングに傾いているものの勢いは限定的で、FRBの利上げ可能性もなお価格に織り込まれているという。
同社は「機関投資家による積極的な買いはまだ見られない」と指摘した。ビットコイン先物の未決済建玉は1カ月を通じて約75万BTCから大きく変わっておらず、新規資金流入への期待とは裏腹に、トレーダーはレバレッジ拡大に慎重だったことを示している。
現時点での基本シナリオはレンジ相場だ。国債利回りが一定のレンジ内にとどまり、ETFの資金フローが継続的な純流入に戻れば、短期的な値動きは抑えられる可能性がある。
一方で、ドル高が続き、利回りが上昇し、ETF流入も弱いままであれば、相場の重荷は一段と強まる恐れがある。FRBが中立的なメッセージを示しても、それだけでは不十分で、需給の裏付けが伴わなければ上昇の勢いは鈍りやすいとの見方だ。
企業のビットコイン保有を巡る負担も増している。7月末時点で84万3775BTCを保有するStrategyは、足元の価格動向の影響を大きく受け、2四半期連続の赤字を計上した。
7月30日に公表した業績によると、同社の純未実現損失は82億2000万ドルに達した。このうち第2四半期の損失は83億2000万ドルだった。マイケル・セイラー会長は「第2四半期にビットコインと米国債を追加購入し、転換社債の発行規模は縮小した」と述べた。
こうしたなか、企業と機関投資家の双方が需要回復のシグナルを見極めている。7月初旬に高まったETF関連の期待が、当初見込まれたほど強い買いにつながらなかった点も、8月相場を左右する材料となりそうだ。