Google DeepMindが、ノーベル賞受賞研究につながったAlphaFoldの開発体制を大幅に再編した。英紙Financial Times(FT)が29日(現地時間)、中核人材の多くがGemini関連を含む他部門へ再配置され、一部は退社したと報じた。
FTによると、GoogleはAlphaFoldの中核メンバーや論文の主要著者らの多くを別部門に振り向けた。残る人員の一部は、Alphabet傘下の創薬企業Isomorphic Labsに移ったという。
AlphaFoldは、アミノ酸配列からタンパク質の3次元構造を予測するAIプログラムだ。従来は数年を要した解析を数分で可能にし、新薬開発やワクチン設計に加え、アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患に関わるタンパク質構造変化の研究にも活用されている。
DeepMindは2018年にAlphaFoldの開発を開始。2020年には、タンパク質が複雑な立体構造へどう折り畳まれるかを予測する「タンパク質折り畳み問題」で、事実上の突破口を開いたと評価された。
2021年には、NatureがAlphaFoldの手法とヒト全プロテオームの構造予測結果をまとめた論文を掲載した。DeepMindはその後、2億件超のタンパク質構造予測データを無償提供するAlphaFoldデータベースを公開している。
2024年には、DeepMindのCEOであるデミス・ハサビス氏と、エンジニアリングフェロー兼副社長のジョン・ジャンパー氏が、AlphaFold研究の功績でノーベル化学賞を受賞した。
一方で、ジャンパー氏は6月、DeepMindを離れてAnthropicに加わると発表した。複数の同僚もAnthropicへ移ったとされる。
FTは、DeepMindが他の人員についてもGemini関連プロジェクトへ振り向けたと報道。さらに一部は、DeepMindからスピンアウトしたとされるAlphabet傘下のIsomorphic Labsに再配置されたとしている。
Google DeepMindのリサーチ担当副社長プシュミット・コーリ氏は、過去9年間は明確な目標を定めて大きな課題に集中してきたが、現在はその戦略が変わったとの認識を示した。