BlackRock(写真=Reve AI)

BlackRockは28日、米暗号資産市場構造法案「クラリティ法」への支持を表明した。投資家保護を軸とする規制の枠組み整備を前進と評価した一方、法案成立に向けては上院で超党派の支持を確保できるかが焦点となる。

ブロックチェーン関連メディアのCoinPostによると、世界最大の資産運用会社であるBlackRockは、米政治メディアPoliticoに送った声明で、同法案を投資家保護を優先する規制体制づくりに向けた重要な一歩だと位置付けた。

今回の支持表明は、暗号資産の市場構造整備を求める大手金融機関の動きと歩調を合わせるものだ。Goldman Sachs、Fidelity、Charles Schwabも支持を示しており、米議会が進める暗号資産スポット市場の規制構想に対し、ウォール街で公然と支持する動きが広がっている。

クラリティ法は、暗号資産のスポット取引を巡り、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を切り分ける市場構造法案だ。2025年7月に米下院を通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会を通過した。

サマラ・コーエンは声明で、「クラリティ法は、投資家を最優先に据えた暗号資産規制の枠組みを確立するための重要な一歩だ」と述べた。あわせて、透明性やレジリエンス(強靱性)、投資家保護を維持しながら、米国が資本市場におけるグローバルな主導権を守る後押しとなり、市場構造の次の段階を形作ることにもつながるとの見方を示した。

業界側も反応している。暗号資産業界団体のCrypto Council for Innovation(CCI)は最近、「Myths v Facts」と題する見解を公表し、クラリティ法によって監督体制や利用者保護、違法資金への対応を強化できると主張した。

もっとも、CCIは暗号資産業界の利害を代弁する団体で、法案に前向きな立場にあるとの指摘もある。

一方、上院通過の見通しはなお不透明だ。本会議での採決には60票が必要だが、共和党の議席は53にとどまる。法案成立には、少なくとも9票の協力を上積みする必要がある。

大統領や議員によるデジタル資産の発行・組成に関する倫理条項や利益相反規定を巡っては、与野党の協議が続いている。こうした状況から、支持の広がりが直ちに法案成立に結び付くかは見通せない。

Coinbaseの副会長ライアン・バングラックは、BlackRockの支持表明を歓迎する投稿をX(旧Twitter)に掲載した。ただ、実際の採決局面では超党派合意の形成が最大の焦点となる。ウォール街の支持が上院での追加賛成票の確保につながるか、また倫理条項を巡る交渉がどの水準で決着するかに関心が集まっている。

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