Visaは、OpenUSDやトークン化預金、オンチェーンのウォレット基盤を軸に、ステーブルコイン戦略を拡大する。カード決済ネットワークにとどまらず、精算や資金移動まで担う金融インフラとして、デジタル資産関連の基盤整備を進める方針だ。
Cointelegraphが28日(現地時間)に報じたところによると、Visaは2026会計年度第3四半期決算で、ステーブルコインのエコシステム全体への投資を拡大していると明らかにした。
同四半期の売上高は116億ドル(約1兆7400億円)で、前年同期比14%増。決済総額、越境取引額、処理件数がいずれも2桁成長となり、業績を押し上げた。
今回の発表で焦点となったのは、業績そのものよりも、デジタル資産の決済インフラ拡大だ。Visaは、グローバルな資金移動に向けてOpenUSDの発行を推進するOpen Standard Consortiumに参加した。
あわせて、自社のステーブルコイン・プラットフォームを通じ、パートナー企業がステーブルコインでVisaと直接精算できる仕組みを支援する方針も示した。
さらに、オンチェーンのWallet-as-a-Serviceを提供し、法定通貨とステーブルコインの交換・移動にも対応する。これらの機能は、まずOpenUSDを中心に構築する。
Visaは、ステーブルコインを単なる決済手段ではなく、精算や資金移動を支える金融インフラへと広げる構想も打ち出した。ステーブルコインによる精算に加え、ウォレット機能や交換機能を単一のプラットフォームで提供することを目指す。
銀行のデジタル預金分野にも踏み込む。Visaは金融ソフトウェア企業Pismoと連携し、トークン化預金への対応を進める計画だ。
今後は、外部のトークン化預金インフラ事業者との連携拡大も進める方針。ステーブルコインに加え、銀行ベースのデジタル預金まで決済ネットワークに取り込み、デジタル資産のエコシステムを広げる狙いがある。
VisaはAIも中長期の成長分野に位置付けた。ステーブルコインとAIを相互補完的な技術と捉え、次世代の商取引インフラを支える中核要素になるとの見方を示した。
既存の決済事業も堅調だった。越境取引額は前年同期比13%増で、欧州域内取引を除くベースでは12%増。処理件数も10%伸びた。
市場では、Visaがステーブルコインを実験的なサービスではなく、既存のグローバル決済網と接続する実用インフラとして本格的に組み込もうとしているとの見方が出ている。OpenUSDを起点に、精算、オンチェーンウォレット、法定通貨との交換機能を単一プラットフォームに統合する構想が、今後の金融機関やパートナーの拡大につながるかが注目される。