AIアプリ連携向けのオープンソース技術「MCP(Model Context Protocol)」が、公開以来で最大規模となるアップデートを実施した。メタデータ処理の見直しによる拡張性の向上に加え、認証セキュリティの強化や拡張フレームワークの追加を盛り込んだ。米SiliconANGLEが28日に報じた。
MCPは、AIアプリやAIエージェントが外部システムとやり取りするための技術。異なる機器やサービスをつなぐUSB-Cのような共通仕様として位置付けられており、開発者はこれを使って、AIアプリやAIエージェントを他のアプリやWebサービスと連携させられる。
MCPを使えば、AIエージェントはデータベースから記録を取得したり、ECサイトの商品カタログを更新したりできる。Anthropicは2024年11月に同技術をオープンソースとして公開し、その後、Linux Foundation傘下の業界コンソーシアム「Agentic AI Foundation」に管理を移管した。Agentic AI FoundationにはAnthropicやOpenAIなどの主要技術企業が参加している。
今回の更新で最大の変更点となったのは、リクエスト時のメタデータ処理方式だ。従来のMCPでは、AIアプリが外部システムにリクエストを送る際、プロトコルのバージョンといったコンテキスト情報を別途受け渡す必要があり、処理が複雑になりやすかった。
新バージョンではこの仕組みを廃止し、メタデータを各リクエストに直接含める形に改めた。プロトコルの中核をステートレス化したことで、トラフィックが急増した場合でもMCPアプリの拡張がしやすくなり、サーバ障害後の復旧も簡素化されるとしている。
従来は、リクエストとメタデータを複数サーバのうち特定の1台に送る構造だったため、1台に障害が起きるとサービス停止のリスクが高まり、規模拡大に伴う運用の複雑さも増していたという。
認証機能も改善した。攻撃者による認証情報の奪取につながる恐れがある「OAuthミックスアップ攻撃」のリスクを低減できるとしている。
あわせて、新たな拡張フレームワークも追加した。開発者はMCPの中核機能に独自機能を追加でき、基本の拡張ライブラリも利用できる。
このうち「MCP Apps」は、長時間にわたって動作するAIエージェントのワークフロー管理機能を提供する。「EMA」は一部のサイバーセキュリティ業務を簡素化するという。