Rippleで最高技術責任者(CTO)を務め、XRPLの中核開発者として知られるデビッド・シュワルツ氏が、引退撤回を考える「唯一の条件」としてニック・ブーガリス氏の名前を挙げた。報酬や肩書ではなく、かつてXRPL初期開発をともに支えたエンジニアと再び働けるかどうかが判断材料だという。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが7月23日(現地時間)に報じた。シュワルツ氏は、引退を思いとどまる可能性があるとすれば、それは金銭的な条件や仕事の規模ではなく、特定の人物の存在によるものだと明らかにした。
シュワルツ氏は2026年1月1日に引退し、現在はRippleの名誉CTOとして限定的に助言を行っている。13年にわたって開発に携わった後、より静かな生活を選んだが、6月に実施された「XRPL 3.2.0」アップデートのようなリリース支援には引き続き関与しているという。
そのシュワルツ氏が実名を挙げたブーガリス氏は、XRPL初期開発の中心人物の1人とされる。Rippleの8人目の社員として加わり、約10年にわたって中核エンジニアリングチームを率い、XRPLのコアコード構築を担った。
また、高度な暗号技術に関する3件の特許にも関わっており、これらは現在、分散ネットワークの技術基盤の一部になっているとされる。
もっとも、両氏が再び同じ環境で開発に携わる可能性は高くない。ブーガリス氏は2022年にRippleを離れ、2025年末にはAlgorand FoundationのCTOに就いた。
一方のシュワルツ氏は、引退後もRippleのエコシステムとXRPLへの関与を続けている。ブーガリス氏は現在、異なるブロックチェーンのエコシステムに身を置いており、実際のコード開発で再び協業する余地は限られるとみられる。
シュワルツ氏は引退後も、冗談を交えた発信を続けてきた。1月にXRPが20%急騰した際には、「私が引退したからだ」と語ったこともある。
ただ今回は、引退撤回の条件として具体的な人物名を示した点がこれまでと異なる。実際の復帰可能性そのものよりも、XRPL初期開発を牽引した2人の関係性を改めて印象づける発言といえそうだ。
一方は引退後もXRPLの更新を支援し、もう一方はAlgorand FoundationのCTOとして別のエコシステムに移った。今回の発言は、RippleとAlgorandの協力を示唆するものというより、暗号資産業界では比較的珍しい、同僚開発者に対する率直な評価として受け止められている。
シュワルツ氏はXへの投稿で、こう述べた。
「本気で引退撤回を考えるとしたら、@nbougalisと再び一緒に仕事ができる時だ」