Appleが開発を進める折りたたみiPhone向けの中核ディスプレイ技術が、Samsung Electronicsの最新折りたたみスマートフォンで先行して披露された可能性が浮上している。Samsung Electronicsが新たに投入したパネルが、将来のApple製折りたたみiPhoneに採用される仕様に近いとの見方が出ている。
米ITメディアの9to5Macは23日(米国時間)、Samsung Electronicsが公開した「Galaxy Z Fold 8 Ultra」のディスプレイに、今後登場が見込まれるAppleの折りたたみiPhone、通称「iPhone Ultra」向けパネルに近い技術が使われていると報じた。
最大の焦点は、画面中央の折り目の改善だ。Appleはこれまで、折りたたみiPhoneの投入を見送ってきた理由として、折り目の目立ちやすさや耐久性への懸念を重視してきたとされる。
最初の折りたたみAndroidスマートフォンが登場してから約6年が経過したが、Appleは関連製品を投入していない。初代Galaxy Foldが耐久性の問題で販売中断に追い込まれた経緯も、Appleの慎重姿勢に影響したと伝えられている。
Appleは、端末を開いた際に折り目がほぼ認識できない水準まで技術が成熟することを条件としてきたという。このため、Samsung Displayの開発にAppleのエンジニアが関与し、完成度の向上を後押ししてきたとの観測もある。
今回「Galaxy Z Fold 8 Ultra」に採用されたパネルは、その基準を初めて満たした事例だというのが今回の報道の骨子だ。ただし、このディスプレイが将来の折りたたみiPhoneにそのまま採用されると断定できる段階ではない。
それでも業界では、今回のパネルがApple向けディスプレイと極めて近い仕様を備えている可能性が高いとみられている。Samsung Electronicsはこのパネルの試作機を今年1月に短時間公開した後、一般展示からすぐに引き上げたとされる。
一部では、Appleの開発プロジェクトに関連する技術だったことが影響した可能性も指摘されている。実機評価もおおむね良好だったという。
ITコンテンツ制作者のアンドリュー・ロメロは、この新型ディスプレイを実際に使用したうえで「非常に印象的だ」と評価した。従来世代では、折りたたみ動作を繰り返すほど折り目が目立ちやすくなる傾向があったが、最新パネルでは現時点で同様の現象がほとんど確認されていないと説明している。
これは、初期状態で折り目が目立ちにくいだけでなく、長期使用時の折り目抑制性能も改善した可能性を示すものとして受け止められている。Appleの折りたたみ戦略への関心も改めて高まりそうだ。
業界では、Appleが9月に「iPhone18 Pro」とあわせて折りたたみモデル「iPhone Ultra」を公開する可能性があるとの見方が出ている。想定される画面サイズは、外側が5.3インチ、内側が7.6インチとされる。
Appleが実際に市場参入する場合、競合より投入時期は遅れる一方、画面の完成度や使い勝手を前面に打ち出す戦略を取る可能性が高いとみられている。
その過程で、Samsung Electronicsの役割も一段と大きくなりそうだ。折りたたみスマートフォンの競争力を左右するディスプレイ技術が、Apple製品の投入時期と完成度を決める中核要素として浮上するなか、Samsung Electronicsの次世代折りたたみパネルがAppleの折りたたみ戦略の基準点になるとの分析も出ている。