Oktaは23日、同社サービスを利用する2万社超の匿名化アクセスデータを分析し、企業向けAIツールの利用動向を公表した。企業アカウントの伸び率ではAnthropicが首位となった一方、企業アカウント数ではMicrosoft 365が最多だった。企業のAI導入では、単一サービスに集約せず、用途ごとに複数ツールを使い分ける動きも広がっている。
調査期間は2022年6月から2026年6月までの約4年間。企業アカウントの純増数をもとに各サービスの伸び率を比較した。
Anthropicの伸び率を100とした相対指数では、OpenAIが66.9、Google Workspaceが59.8、GitHubが56.6、Cursorが42.4となった。過去4年間の導入拡大ペースでは、Anthropicが主要サービスを大きく上回った格好だ。
集計対象は、知識労働者やソフトウェア開発者が利用するAIツールが中心。基盤モデル、開発者ツール、エンタープライズ検索、コラボレーション・生産性向上サービス、音声文字起こしや会議支援AI、クリエイティブ関連製品群などを含めた。
一方で、特定部門向けの業務記録システム、クラウドインフラ経由で提供されるAI、サイバーセキュリティAIは対象外とした。
伸び率と導入規模では顔ぶれが異なった。企業アカウント数ではMicrosoft 365が最も多く、Google Workspaceがこれに続いた。Microsoft 365が広い企業顧客基盤を維持する一方、Google Workspaceも差を縮めつつある。
足元の導入ペースではAnthropicの存在感が際立つものの、市場全体では既存の生産性プラットフォームの影響力がなお大きいことも示した。
2026年に入ってからはAnthropicの伸びが一段と加速したという。Anthropicの企業アカウント数は2026年1月以降に急増した一方、OpenAIとCursorの増加ペースは相対的に緩やかだった。
Oktaは、顧客成長率が4倍を超えた急成長企業をグラフで別途示した。Anthropicは、直近で企業導入の増加が目立つサービスに位置付けられた。
企業のAI導入は、単一プラットフォームに集約する動きが主流とはいえない。調査対象企業の約57%は、2つ以上のAIプラットフォームを同時に利用していた。
Oktaは、コラボレーション、開発、検索、会議、コンテンツ制作などの用途に応じて異なるAIサービスを組み合わせる動きが広がっていると分析した。既存の生産性ツールを維持しながら、新たな基盤モデルや開発者ツールを追加するケースが増えているという。
今回の結果は、企業向けAI市場が特定ベンダーによる総取りではなく、複数プラットフォームが競う構図で推移していることを示している。Microsoft 365とGoogle Workspaceは既存の大規模アカウント基盤を武器に企業市場を広げ、Anthropicは足元の導入ペースで最も強い伸びを示した。
OpenAIとCursorも上位を維持したが、直近の企業アカウント増加幅はやや鈍化したとしている。
今後の企業向けAI市場では、総アカウント数に加え、用途別の採用スピードや複数プラットフォームの併用比率が、競争を占ううえで重要な指標になりそうだ。