個人情報保護委員会は22日、TikTokとAppleの関連会社に対し、個人情報保護法と旧情報通信網法違反で計105億5800万ウォンの課徴金を科すと決めた。TikTokには是正命令と公表命令を出し、Apple側の子会社2社にも課徴金や是正措置命令を科した。
委員会は、両社がいずれも法的根拠が不十分なまま個人情報を収集・利用し、一部を海外に移転していたと判断した。
TikTokは、広告やコンテンツの成果分析サービスを提供する過程で、「TikTok Pixel」「Events SDK」「Events API」などの行動情報収集ツールを外部のWebサイトやアプリ事業者に配布している。これらのツールを導入した事業者のサイトやアプリでは、訪問した利用者の行動履歴が収集される仕組みになっている。
委員会によると、国内では約7万1000社がこれらのツールを利用していた。TikTokは、2025年12月時点で国内のアクティブユーザー945万人から、こうした他社行動情報を収集していたという。
さらにTikTokは、利用者の他社行動情報と端末識別子などを組み合わせ、TikTokの会員アカウントとひも付けて分析していた。利用者の属性や関心を推定し、ターゲティング広告に活用していたとされる。
一方で委員会は、TikTokが会員登録時にこうした処理内容を利用者に分かりやすく告知していなかったと指摘した。サービス利用に必要な個人情報とあわせて「必須」として同意を求めており、利用者がターゲティング広告向けの他社行動情報収集を実質的に拒みにくい構造だったとしている。
また、TikTok Liteのポイント現金引き出しサービスでは、利用者の個人情報をグループ会社に移転しながら、移転する情報の項目、移転先での利用目的、保有・利用期間といった法定の告知事項を公開または通知していなかったことも確認した。
委員会はこれらの行為について、法的根拠のない他社行動情報の収集・利用と不適切な国外移転に当たると判断し、TikTokに103億600万ウォンの課徴金を科した。あわせて是正命令と公表命令も出した。
Appleを巡っては、2019年8月まで音声アシスタント「Siri」の利用時に、利用者の音声録音と書き起こしテキストを収集していたことが確認された。音声認識機能や検索結果の改善に利用していたが、利用者から個別の同意は得ていなかった。
Appleは2019年10月から、音声録音をサービス改善に使う際には別途同意を得るようにした。ただ、書き起こしテキストについては、その後も法的根拠が不十分なままサービス改善に利用していたという。
加えて、利用者の個人情報を米Apple Inc.などグループ会社に移転しながら、移転対象となる個人情報の項目、移転先での利用目的、保有・利用期間などをプライバシーポリシーに十分記載していなかったことも判明した。
Appleは調査の過程で、書き起こしテキストの収集・利用について利用者が選択できるようにしたほか、テキスト内の個人情報をフィルタリングするなど保護措置を強化した。プライバシーポリシーの改定も含め、違反事項は是正したとしている。
委員会は、Appleのグループ会社ADIに対し、旧情報通信網法違反で2億5200万ウォンの課徴金を科した。別のグループ会社ASPLには、国外移転の実態点検などを盛り込んだ是正措置命令を出し、個人情報保護体制の強化を求めた。
個人情報保護委員会は今後も、海外事業者による個人情報の取り扱い実態を継続的に点検し、違法行為には国内外を問わず厳正に対処する方針を示した。国境をまたいで複雑化するデータ処理環境の下でも、個人情報の安全性と透明性を確保していくとしている。