Ripple Primeは、機関投資家向けデジタル資産インフラ事業の拡大を加速している。Hidden Road買収後、売上高は前年の3倍に拡大した。RLUSDを活用した24時間の担保管理体制を整備し、「Wall Street 2.0」を掲げてプライムブローカレッジ分野での主導権確保を狙う。
米ブロックチェーンメディアU.Todayは20日(現地時間)、こうした動きを報じた。Ripple Primeは、伝統金融とデジタル資産市場をつなぐプライムブローカレッジ機能を強化しており、中核にはブロックチェーンベースの24時間稼働インフラを据える。
Ripple Prime Internationalの最高経営責任者(CEO)、マイケル・ヒギンス氏は最近のインタビューで、「現在のクリプト・ウィンターは、デジタル資産そのものの冬ではない」と述べた。市場は24時間アクセス可能な体制へ移行しており、それを支える常時稼働のブロックチェーン基盤が必要だと説明した。
その上で同氏は、「それがWall Street 2.0であり、Ripple Primeがその変化を主導している」と強調した。
成長に弾みをつけたのは、RippleによるHidden Roadの買収だ。2025年10月に12億5000万ドル(約1875億円)で買収して以降、Rippleのバランスシートを活用できるようになり、Ripple Primeの売上高は前年の3倍に拡大したという。
ヒギンス氏によれば、機関投資家の需要は拡大している。対象は外国為替(FX)、デジタル資産、デリバティブ、スワップ、債券など幅広い資産クラスに及び、清算や資金調達サービスへの引き合いが強まっている。
流動性供給力の強化も進める。Ripple Primeは最近、Neuberger Specialty Financeから2億ドル(約300億円)規模の融資枠を確保した。調達資金はマージンファイナンス機能の拡充に充て、機関投資家向けの流動性供給基盤を広げる方針だ。
同社の中核戦略は、銀行中心の決済・担保管理の仕組みをブロックチェーンベースへ置き換えることにある。従来のプライムブローカレッジでは、担保の差し入れが銀行営業時間内に限られ、週末や祝日には追加資本の確保を迫られるなど、運用面で非効率があった。
これに対しRipple Primeは、ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を使って24時間の担保管理体制を構築し、こうした制約の緩和を目指す。
ヒギンス氏は、規制の枠組みがより明確になれば、ウォール街の大手銀行もデジタル・プライムブローカレッジ市場に本格参入するとの見方を示した。一方で、既存の金融機関がブロックチェーン基盤を短期間で整備するのは容易ではないとも指摘した。
同氏はまた、「米国株式市場と外国為替市場の最大のマーケットメーカーは、もはや銀行ではない」とも語った。
Ripple Primeは、デジタル資産取引所、外国為替の流動性プール、従来型の株式取引所を単一の統合技術スタックで接続し、同じ運用体制を適用していると説明する。これにより、異なる資産クラスへのサービス展開をより迅速に進められるとしている。
Rippleは、機関投資家によるデジタル資産の導入は停滞ではなく拡大局面に入ったとみている。単なる取引サービスにとどまらず、清算、資金調達、担保管理までをカバーする総合インフラ事業者としての地位確立を目指す。
今後は、RLUSDを使った24時間担保管理モデルが機関投資家市場でどの程度の速さで広がるか、また規制整備後に伝統金融との競争構図がどう変化するかが焦点となる。