ワシントンDC市議会で、車いす対応の自動運転車をテキサスで開発中だと説明したTesla(写真=Tesla)

Teslaが、車いす利用者に対応したロボタクシーの開発計画を明らかにした。米ワシントンDC市議会の公聴会で、同社は車いすのまま乗車できる専用の自動運転車をテキサスで開発していると説明した。一方で、投入時期や車種、詳細な仕様は公表していない。

Electrekが13日(現地時間)に報じたところによると、この説明は、ワシントンDCでロボタクシーサービスの運営を認める可能性がある法案を巡る公聴会で示された。Teslaの上級政策アドバイザー、インディア・ハードマン氏は市議会で、「車いす対応の専用自動運転車を開発している」と述べた。

同氏はさらに、「恒常的に車いすを利用する人も自由に移動できるべきだ。これはTeslaがテキサスで進めている実際の製品だ」と説明した。ただ、同社は追加の質問に対しても個別の見解を示さず、車両の投入時期や具体的な仕様には踏み込まなかった。

Teslaの現行サービスは、アクセシビリティの面でなお制約がある。同社はオースティン、ダラス、ヒューストンに加え、今月からマイアミでも小規模な無人運行を進めているが、使用しているModel Yは車いすのまま乗車できる構造ではない。

同社が別途準備している専用ロボタクシー「Cybercab」も、現時点では車いす対応車両とは言い難い。2人乗りで、ステアリングとペダルを備えない仕様だ。Teslaは今月、X(旧Twitter)への投稿で、点字表示や車いす利用者の高さに配慮した座席などアクセシビリティ要素を紹介したが、乗客が自力で乗り込む前提の設計で、車いすのまま利用する形にはなっていない。

Teslaはこれに先立ち、ロボタクシー向けアプリにもアクセシビリティに関する文言を盛り込んでいた。昨年秋には、アプリ内に「アクセシブルな車両サービスに取り組んでいる」との記載が追加された。ただし、実際にはTeslaの自社車両ではなく、外部の車いす対応車両の事業者につなぐ仕組みだった。関連投稿にはイーロン・マスク氏が「もちろんだ」と返信していたが、自社車両の計画が公になっていたわけではない。

業界では、この車両の有力候補として「Robovan」が挙がっている。Teslaは2024年10月のイベント「We, Robot」で、最大20人の乗車や貨物輸送に対応するバス型の自動運転車としてRobovanを披露した。低床で車内空間に余裕のあるバン型車両は、車いす用スロープや固定装置を組み込みやすく、既存の車いす対応タクシーに近い構成とみられる。

もっとも、Robovanについても価格や投入時期は明らかになっていない。商標出願の状況から、名称が「Robobus」に変わる可能性も指摘されているが、Teslaは今回言及したテキサス開発車両がRobovanなのか、別の新モデルなのかを示していない。現時点では、今回の車いす対応ロボタクシーが新規車種なのか、既存のRobovan計画を指すのかは確認できていない。

こうした事情から、今回の説明は政策対応の色彩が濃いとの見方もある。ワシントンDC市議会では、ロボタクシーが車いす利用者を排除しかねない点への懸念が出ており、Teslaはそれに対応する形で車いす対応車両の開発を説明した。ただ、商用化の可否を判断できるだけのスケジュールや諸元は示されていない。

今後の焦点は、Teslaが車いすのまま利用できる専用車両の設計を実際に公開するかどうか、そしてそれをロボタクシーサービスにいつ組み込むかにある。現段階では計画の説明にとどまっており、実用化には無人の自動運転システムを大規模に運用できる体制づくりも欠かせない。

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