米ホワイトハウスは、暗号資産業界の規制枠組みを再編するCLARITY法案について、今週の上院審議が重要な局面を迎えるとの認識を示した。政権側は早期成立を求めているが、上院ではフィリバスター回避に60票が必要で、民主党内の慎重論も残っている。
ブロックチェーン関連メディアのU.Todayが13日(現地時間)に報じたところによると、ホワイトハウスの暗号資産政策アドバイザー、パトリック・ウィット氏は、同法案を巡り「今週が決定的な時期になる」と強調した。
ウィット氏はX(旧Twitter)への投稿で、「CLARITYにとって重大な1週間だ」と言及。「この法案には膨大な努力が注がれてきた。すでに失われた時間も大きく、これ以上の遅れは許されない」と訴えた。ホワイトハウスが最近、上院に迅速な対応を促していた流れを受け、政権側が働きかけを一段と強めた格好だ。
CLARITY法案は、米国の暗号資産業界のルール整備を進める中核法案と位置付けられている。ホワイトハウスは成立を急ぐ理由として、地政学的な競争環境も挙げた。米国に次ぐ経済圏が人工知能(AI)や暗号資産分野で主導権の確保を狙っており、同法案の成立が米国の先導的地位の維持につながる可能性があるという。
もっとも、法案成立への道筋はなお不透明だ。予測市場Polymarketでは、同法案が年内に署名される確率は40%にとどまっている。ホワイトハウスが公に成立を後押ししている一方、市場では上院通過を楽観視していないことがうかがえる。
上院でのハードルは高い。法案は昨年7月に下院を通過したが、上院ではフィリバスターを回避するために最低60票が必要となる。5月には上院銀行委員会を通過し、本会議採決の段階に進んだものの、現時点では全体採決には至っていない。
民主党内の懸念も不確定要因となっている。ステーブルコインや分散型金融、ミームコインを含む制度設計の詳細を巡って見解の隔たりが残るためだ。少なくとも7人の民主党議員の賛成を取り付ける過程では、倫理面の問題も主要な争点として浮上している。一部の民主党議員は、法案がイノベーションや雇用創出を後押しする可能性には理解を示す一方、汚職につながる恐れへの懸念をなお拭っていない。
こうした中、共和党内で代表的なビットコイン支持派として知られるシンシア・ルーミス上院議員は最近、同法案の成立が2030年までずれ込む可能性があると警告した。中間選挙の結果次第で、法案審議の推進力が大きく変わり得るとの見方を示した形だ。
このため、今週の上院内の協議は、法案の短期的な行方を左右する可能性が高い。ホワイトハウスは「これ以上の遅れは許されない」とスピード感を求めるが、実際の法制化に向けては、超党派での票固めと民主党内の懸念解消が引き続き焦点となる。