画像=Kalshi Pro

予測市場プラットフォームを手がけるKalshiは、プロトレーダー向けデスクトップ版「Kalshi Pro」のベータ提供を米国で開始した。複数市場の同時取引や大規模な市場監視、リスク管理機能を備え、機関投資家や上級トレーダーの需要取り込みを狙う。一方で欧州では、予測市場を巡る規制強化の動きも目立ち始めている。

13日(現地時間)に報じられた内容によると、Kalshi Proは、複数の市場を同時に取引する利用者や、リアルタイムのイベントに即応するトレーダーを主な対象とする。指値注文を中心に取引するユーザーも想定しており、現時点では無料で提供する。既存のKalshiアプリと同じアカウントと残高をそのまま利用できる。

Kalshiの年間取引高は1780億ドルで、前年の3倍に拡大した。このうち相当部分を、クオンツ取引会社やプロトレーダー、いわゆる「シャープ」が占めたという。Kalshiは、こうした利用者が使ってきた独自の取引フローやデータの直接連携、自社ソフトウェア機能を1つのプラットフォームに統合したとしている。

さらに、従来の証券会社や取引所がプロの株式・債券トレーダー向けに提供してきた高度なツールも取り込んだ。Kalshi Proの最高技術責任者(CTO)、アンディ・チャン氏は、「Kalshiの大口利用者は、すでに予測市場と無期限先物を、ウォール街で株式や債券が取引されるのと同じ感覚で扱っている。それに見合うプラットフォームを構築した」と述べた。

主な機能としては、複数市場を1画面で閲覧・取引できる「Canvas」を搭載した。「Active Markets Screener」は、約2000のアクティブ市場を一括で監視できる。損切りや利益確定注文などのリスク管理機能も備えた。TradingViewのライセンスチャートに加え、無期限先物取引もサポートする。

今回の投入は、Kalshiが米商品先物取引委員会(CFTC)の直接監督下で、米国初の暗号資産の無期限先物を提供した直後の動きとなる。この商品の取引高は、提供開始から1週間で10億ドル(約1500億円)に達した。予測市場プラットフォームが単なるイベントベッティングを超え、デリバティブ型の取引インフラへと領域を広げつつある流れを示した格好だ。

一方、イタリアでは規制圧力が再び強まっている。主要な予測市場プラットフォームの1つであるPolymarketは、イタリア税関・専売庁(ADM)の公式ブロックリストに再掲載された。ADMは、Polymarketがイタリアの賭博法を順守していないと判断した。

Polymarketは、自社のサービスは賭博商品ではなく金融サービスだと主張してきた。また、イタリアの利用者は市場データの閲覧のみ可能で、実際の取引はできないとしている。それでもADMが再びブロック対象としたことは、現地の許認可なしに運営する予測市場プラットフォームに対し、各国当局の監視が強まっていることを示している。

同じ予測市場でも、地域によって事業環境は分かれている。米国ではプロ向けサービスやデリバティブ商品の拡充が進む一方、欧州の一部諸国では賭博法や広告規制を根拠に参入障壁を引き上げる動きが出ている。予測市場プラットフォームが金融サービスとしての性格を前面に打ち出して拡大を図るのに対し、各国当局は既存の賭博規制の枠組みで捉え直そうとしている。

キーワード

#Kalshi #Kalshi Pro #予測市場 #無期限先物 #CFTC #Polymarket #規制動向
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.