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米上院で、暗号資産市場の制度設計を定める「Clarity Act」の審議が大詰めを迎えている。上院は8月の休会前に法案の上程、討論、採決を終える必要があり、成立の可否を左右する局面に入った。

Blockchain関連メディアのBitcoin Magazineによると、上院は休会入りまでの限られた日程の中で、法案審議を進める構えだ。

同法案の柱は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を明確に切り分ける点にある。デジタル商品(デジタル・コモディティ)の現物市場はCFTCが専属的に管轄し、投資契約に当たる資産はSECが所管する枠組みを想定している。

トランプ大統領も、上院に早期可決を促している。Truth Socialへの投稿で「リンジー・グラム上院議員をたたえる意味でも、上院はClarity Actを通過させるべきだ」と訴えた。あわせて、中国など他国が主要な金融分野や人工知能(AI)の主導権を握ろうとしていると主張した。

ホワイトハウスの暗号資産担当顧問、パトリック・ウィット氏も成立を後押ししている。同氏は、これ以上の先送りは許されないとの認識を示し、ワシントンの政策関係者の間でも、今会期中がデジタル資産市場構造法案を処理する最後の現実的な機会だとの見方が広がっている。

手続き自体は前進しているが、本会議通過はなお不透明だ。Clarity Actは2025年7月に下院で超党派の賛成を得て294対134で可決されたほか、今年5月には上院銀行委員会でも15対9で可決された。この際は民主党議員2人が、共和党議員全員とともに賛成に回った。ただ、委員会段階での可決後も、本会議での可決はなお見通せないとの指摘が出ていた。

今週は、上院銀行委員会案と農業委員会案を統合した修正法案の条文案が公表される見通しだ。どの条項が維持され、どの論点がなお未決着なのかを見極める材料となる。

残る争点の一つが、法案604条に盛り込まれた「ブロックチェーン規制確実性法」だ。非カストディアル型ソフトウェアの開発者を資金移転事業者と見なさないよう保護する内容を含む。一方で法執行機関は、現行文のままではオンチェーン犯罪の捜査に支障が出かねないとして反発している。民主党から追加支持を得られるかどうかは、この条項の修正に左右されるとの見方がある。

より大きな対立点となっているのが倫理規定だ。交渉団は、トランプ氏の暗号資産事業に絡む利益相反を防ぐ仕組みを巡り、ホワイトハウスと合意に至っていない。トランプ氏が昨年、暗号資産関連事業で10億ドル超を得たとする公開資料が出たことで、議論は一段と広がった。下院議員らはこうした懸念を踏まえつつも、上院に法案処理を急ぐよう求めている。

市場関係者や業界の見方は分かれている。200社超で構成する企業連合は、上院指導部に対し法案を本会議に上程するよう要請した。同連合は、同法案がデジタル資産に関する明確な連邦レベルの枠組みを整え、イノベーションを米国内にとどめることにつながると主張している。

一方、Galaxy Digitalは成立確率の見通しを50対50に引き下げた。日程が逼迫しているうえ、国防権限法(NDAA)など他の優先課題と審議時期が重なっていること、さらに倫理規定と開発者保護条項がなお整理し切れていないことを理由に挙げた。

もっとも、上院本会議での採決可能性を悲観する見方ばかりではない。Solana Policy Instituteのクリスティン・スミス代表は「Clarity Actを巡る推進力は積み上がっており、休会前の本会議採決は十分可能だ」との見方を示した。CFTC首脳部も、法案可決の時期はかなり近づいていると評価している。

今後の焦点は、上院指導部が7月中の採決日程を確定するかどうか、そして修正法案が倫理規定と開発者保護条項をどこまで整理できるかにある。今後4週間を逃せば、第119議会でClarity Actを同じ勢いで再び前進させるのは難しくなる可能性がある。

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