AIコンパニオン市場は実験段階を超え、実際の課金市場として拡大しつつある。写真=Shutterstock

恋愛・成人向けのAIコンパニオンアプリに対する世界の消費者支出が、累計4億ドルを超えた。直近6カ月で累計の3分の1超が積み上がるなど、足元では市場拡大が加速している。

米メディアのDecryptが現地時間13日に報じたところによると、AppleのApp StoreとGoogle Playに登録された恋愛・成人向けAIコンパニオンアプリの累計ダウンロード数は、2022年末以降で1億6530万件、累計消費者支出は4億2730万ドルに達した。

集計対象は、恋愛・成人向けのAIコンパニオンアプリ214本。これらのアプリは2026年上期だけで1億6280万ドルの課金額を記録し、累計の相当部分がこの半年間に集中した。

調査会社Appfiguresは、ダウンロード数と消費者支出を基に関連アプリの順位を集計した。Appfiguresのランディ・ネルソン氏は、今回の金額がAppleとGoogleのプラットフォーム手数料控除前の数値だと説明した。アプリストアの手数料は一般に最大30%前後とされる。

2026年上期の課金額首位はAIコンパニオンアプリ「Zeta」で、約3300万ドル。以下、「Tipsy Chat: Live Your Story」が1520万ドル、「ChatBox」が1300万ドル、「Crush AI」が880万ドル、「Emochi」が750万ドルで続いた。

一方、ダウンロード順位は課金額ランキングと差が出た。上期に最も多くインストールされたのは「Emochi」で790万件。「Amora」が360万件、「Zeta」が300万件、「Bimovimo」が280万件、「MiraiMind」が260万件だった。

収益構造にも特徴がみられた。一般向けのAIコンパニオンアプリは、ダウンロード数が恋愛型のほぼ2倍だった一方、売上規模に大きな差はなかった。2026年上期の一般向けAIコンパニオンアプリの課金額は1億6480万ドルで、恋愛型とほぼ同水準だった。ダウンロード数よりも、課金率や利用者1人当たり支出が高い可能性を示している。

Decryptはこうした動きについて、AIを単なる生産性ツールではなく、感情的な共感や親密さの対象として利用する人が増えているためだと分析した。AIと感情的な関係を築く、いわゆる「Digisexual」文化が広がりつつあるとも指摘している。

関連調査でも同様の傾向が確認されている。米ブリガム・ヤング大学、家族研究所、ホイットリー研究所の研究チームが2026年5月に公表した調査によると、米国で既婚者または交際相手のいる18〜30歳の15%が、AI恋愛コンパニオンを定期的に利用していると回答した。定期利用者の69%は、その利用を恋人に完全には明かしていないとも答えた。

事業者側も需要拡大に合わせてサービスを広げている。AIコンパニオンサービスのJoy AIは今年5月、AIを用いた成人向け機能の試験参加者10人に月額2000ドルを支払うプログラムを発表した。製品フィードバックの収集と、デジタル上の親密性サービスの活用方法を調べることが目的だとしている。7月までに世界で15万人超が応募し、Joy AIは別途、公式の選考手続きを設けたという。

もっとも、今回の集計はモバイルアプリ市場に限られる。Appfiguresは、ストアのメタデータやサービス説明、年齢レーティング、恋愛・成人関連キーワードを基にアプリを分類した。一方で、Joy AI、Candy AI、SpicyChat AIなどのWebベースのサービスは集計対象に含まれていない。Webサービスまで含めれば、実際のAIコンパニオン市場の規模はさらに大きい可能性がある。

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