米政府がCoinbase Primeにビットコイン2874.9BTCを移したことが確認され、市場で売却観測が広がっている。移動額は約1億8328万ドル相当。Galaxy Researchが共有したオンチェーンデータによると、13日(現地時間)に米当局がCoinbase Primeへ移したビットコインは、合計で4000BTC近くに達したという。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、今回の移動は米政府管理アドレスから行われ、ビットコインのブロック957893、957894に記録された。
市場の焦点は、今回の移動が実際の売却準備なのか、それとも内部的なカストディ運用に伴う移管なのかという点にある。米政府はこれまで押収したビットコインを保有する方針を示してきた経緯があり、今回の動きはその処理方針を巡る不透明感を改めて意識させる形となった。
背景には、米政府のビットコイン政策がある。2025年3月には、財務省に戦略ビットコイン備蓄の策定を求める大統領令に署名された。その後、スコット・ベセント財務長官は、政府が備蓄目的でビットコインを直接購入することはなく、押収したビットコインも売却せず保有する考えを示していた。
今回の資金の出所も市場の警戒感を強めている。移動したビットコインには、暗号資産取引所「BTC-e」に関連する分を含め、複数の別件に由来する資産が含まれているとされる。
異なる事件に関連する資産をまとめて動かすのは異例との見方がある。通常は案件ごとに管理される資産が同時に移されたことで、単なるアドレス再編にとどまらない可能性を指摘する声も出ている。
もっとも、移動先のCoinbase Primeは、機関投資家や企業向けにカストディや取引サービスを提供するプラットフォームだ。このため、政府ウォレットからCoinbase Primeのアドレスに資産が移ったことだけで、直ちに市場での売却を意味すると判断するのは早計だ。
保管体制の見直しや資産の一元管理、将来の処分手続きに備えた事前移管といった可能性も残る。
一方で、米政府保有のビットコインが実際に市場へ放出されれば、短期的な需給悪化は避けにくい。とりわけ大口の売却が店頭取引(OTC)ではなく公開市場で行われた場合、投資家心理の悪化や価格変動の拡大を懸念する声がある。
逆に、今回の動きが単なるカストディ移管だと確認されれば、売り圧力への警戒は早期に和らぐ可能性がある。今後の焦点は、Coinbase Primeに移された残高が、その後ほかの取引所ウォレットや売却関連とみられるアドレスへ再移動するかどうかに移っている。
現時点で、今回の移動だけをもって売却と断定することはできない。ただ、米政府保有ビットコインの処理方針を巡る不透明感が改めて意識されたのは確かだ。追加のオンチェーン移動や実際の取引所流入が確認されれば、市場の反応が一段と大きくなる可能性がある。