7年間動きのなかったビットコインの大口保有者(クジラ)のウォレットが、2931BTC(約1億8800万ドル)を移動した。ビットコインが6500ドル前後で推移していた時期以来の送金で、足元で高まる取引所流入の偏りや現物ETFの資金流出とあわせ、市場では短期的な需給への影響に関心が集まっている。
Cointelegraphが13日に報じた。今回の移動は、長期間休眠していた大口ウォレットが再び動いた事例として注目を集めている。
オンチェーン分析企業Arkhamによると、ウォレット「356my」は同日、2931BTCをアドレス「bc1qn」に送金した。取得時の価格水準を踏まえると、保有分の含み益はおよそ10倍規模に膨らんだ計算になる。
Onchain Lensも、このウォレットが長期保有分で大幅な含み益を抱えている可能性が高いとみている。
今回の送金が注目される背景には、足元のビットコイン市場における資金フローの変化がある。取引所への流入の多くをクジラの資金が占めているとの見方が強まっているためだ。
CoinGlassによれば、1000万ドル以上の移転はクジラの動きに分類される。こうした大口移転は、取引所での売却につながる可能性があるとして、相場の重荷と受け止められやすい。
CryptoQuantの集計でも同様の傾向が確認されている。年初以降、取引所に流入するビットコインの大半はクジラ主導で、現在の取引所への入金の約99%が上位10件の大口移転によるものだという。
CryptoQuantの取引所クジラ比率も0.99を上回った。
CryptoQuantは、この比率の上昇について、取引所流入に占めるクジラ資金の偏りが強まっていることを示す指標だと説明している。こうした大規模な入金は、個人投資家による日常的な取引よりも、大口の売り注文に先行する可能性が高く、過去には弱気シグナルとみなされてきたとも指摘した。
一方、ビットコイン現物ETFの資金フローも相場の重荷として意識されている。Farside Investorsによると、ビットコイン現物ETFは直近1週間で1億9700万ドルの純流入となった。ただ、6月単月では45億1000万ドルの純流出となり、月間ベースで最大規模の流出だったとしている。
市場では、今回のクジラによる移転が実際に取引所への流入や売却につながるかを見極めようとしている。高水準にある取引所クジラ比率や、ETFからの継続的な資金流出が重なれば、ビットコインの短期需給に下押し圧力がかかる可能性があるためだ。
もっとも、現時点で確認されているのは、長期休眠ウォレットから大規模な移動があったことと、取引所流入に占めるクジラ比率が高まっていることまでだ。今回の送金がそのまま売却に結び付くかどうかは、なお見極めが必要となる。