郵政事業本部は7月12日、郵便配達員の役割を福祉の見守りから行政調査、国家統計調査まで広げる方針を明らかにした。省庁や自治体との連携を通じ、廃医薬品や電子たばこの回収支援など環境分野の事業も拡大する。
同本部によると、郵便局は2022年の「福祉郵便」導入を機に、災害対応を中心とした単発的な公共機能から、福祉・行政サービスを常時提供する体制へと軸足を移した。2025年5月には「郵政事業運営に関する特例法」が改正され、公共事業を郵政事業の本来業務として進める法的基盤も整った。
これまでにも、ラドン寝具マットレスの回収や新型コロナウイルス感染症に伴う公的マスクの供給、在宅治療キットの配送など、国家的危機の際に全国の郵政ネットワークを活用し、社会安全網としての役割を担ってきた。
◆福祉郵便を拡充、統計調査にも活用
郵便配達員が支援の必要が疑われる世帯を訪問し、安否を確認する「福祉郵便」は、今年上半期までに全国107の市・郡・区で約29万世帯を訪問した。このうち11万世帯が実際の福祉サービス利用につながった。
対象は高齢者にとどまらず、孤立やひきこもり状態にある若年層にも広がっている。生活必需品を届けながら安否を確認する「安否見守り郵便サービス」は、56の自治体と連携し、累計約11万世帯を支援した。6月からは、追加の証明書類や申請手続きなしに食料品と生活必需品を支援する保健福祉部の「Just Dream」と連携し、「訪問型Just Dream」を京畿道富川市で実施している。
全羅南道康津では、移動が困難な高齢者に週1回、副菜を届ける「高齢者弁当配送」も運営する。江原道と全羅北道の19郡では、高齢の年金受給者に郵便配達員が国民年金を現金で届けるとともに安否も確認する「国民年金安心配送」を進めている。
郵便配達員の現場対応力と信頼性を生かした行政業務も広がる。郵政事業本部は国家データ処と連携し、国家統計調査に郵便配達員を活用する。事前テストを経て、11月の「世帯住宅基礎調査の試験調査」から参加する予定だ。
中小ベンチャー企業部とは、店舗撤去費の支援を受けた小規模事業者について、実際に廃業し撤去が行われたかどうかを郵便配達員が現地で確認する事業を進める。郵政事業本部は、既存の現地調査員を活用する方式に比べ、調査コストを首都圏で35.7%、非首都圏では最大71.5%削減できると見込む。来月からは、朝鮮戦争で戦没した軍・警察関係者の遺族を訪ねて献呈牌を届けるほか、報勲登録証に関する満足度調査を実施する国家報勲部との協業事業も始める。
◆資源循環も拡大、廃医薬品や電子たばこを回収
郵政ネットワークを活用した環境事業も拡大している。郵便ポストと専用回収箱を使って廃医薬品を回収する事業は、全国65の市・郡・区で実施され、累計21万袋を回収した。
今年1月からは、使用済み電子たばこデバイスを郵便で回収し、リサイクル企業に引き渡している。国立公園で回収したペットボトルをミネラルウォーターの容器として再資源化する事業や、全羅南道地域のボランティアセンターが回収したアルミ缶を、鉄鋼の脱酸剤などに再利用する事業も進めている。
郵政事業本部は下半期から、全羅南道康津の高齢者弁当配送のような地域単位の福祉事業を、人口減少リスクの高い地域を中心に拡大する計画だ。現地調査や実態確認など、対面での行政需要を持つ中央省庁や自治体との協業案件もさらに発掘する。
パク・インファン郵政事業本部長は「郵便局ならではの人的・物的ネットワークを活用し、韓国全域の福祉、行政、環境の支援が行き届きにくい領域を補う汎政府統合プラットフォームへ発展させたい」と述べた。