画像=DeFi(分散型金融)

DeFi(分散型金融)トークンがこの1カ月、ビットコインに比べて相対的に底堅く推移している。Bitwiseは、機関需要の拡大やトークノミクスの改善を背景に、DeFi分野が市場で「静かに再評価」されつつある可能性があると指摘した。2026年7〜9月期は、ステーブルコインの普及と米国の暗号資産規制の進展が相場の方向性を左右する要因になるとみている。

Cointelegraphが10日(現地時間)に報じたところによると、資産運用会社Bitwiseは最新レポートで、DeFi分野に対する市場評価に変化の兆しが出ていると分析した。

Bitwiseの集計では、6月のビットコインは約22%下落した一方、主要DeFiプロトコルのトークンで構成する同社のDeFi指数は4%安にとどまった。DeFi資産は一般にビットコインより値動きが大きい傾向があり、今回の相対的な強さは異例とみられる。

同社は「DeFiは通常、ビットコイン以上に大きく変動するが、今回のように踏みとどまるのは珍しい」としたうえで、「市場はこの変化をまだ十分に織り込んでいない」と説明した。

背景として挙げたのが、DeFiエコシステムにおける需要構造の変化だ。伝統的な金融機関がDeFiプロトコルを活用し始めており、エコシステムの安定性が高まりつつあるという。

レポートでは、トークノミクスの改善に加え、利用実態とトークン価値の乖離も縮小していると指摘した。MorphoやJupiterでは機関によるサービス構築が進み、Aaveは過去1年間で約9億ドル(約1350億円)の収益を生み出したとしている。

Bitwiseは、この流れが2026年7〜9月期も続く可能性が高いとみる。「DeFiのアウトパフォームは3Qも続く」との見方を示し、市場はこうした変化を時間差で価格に織り込む傾向があると分析した。

一方で、足元の相対的な強さをそのままDeFi市場全体の回復とみるのは難しいとの見方もある。BitwiseのDeFi指数は時価総額加重で構成されているが、直近の組み入れ比率の約61%をHyperliquidのHYPEトークンが占めているためだ。

HYPEは年初来で160%超上昇した一方、Uniswap、Ondo、Aaveなど他の主要銘柄は年初来で2桁下落となった。指数の底堅さが、特定銘柄の急伸に大きく依存していることを示している。

エコシステム全体の資金規模を見ても、本格回復にはなお距離がある。CryptoRankによると、DeFiの預かり資産総額(TVL)は今年、約1150億ドル(約17兆2500億円)から700億ドル(約10兆5000億円)をやや上回る水準まで減少し、約40%縮小した。前年の暗号資産市場の調整が影響したとしている。

もっともBitwiseは、下落幅が2022年の弱気相場時ほど大きくない点を踏まえ、DeFi市場の耐久性は以前より高まっていると評価した。

今後の主要な変数としては、米国の規制動向とステーブルコイン市場の拡大を挙げた。米国のステーブルコイン規制法「GENIUS Act」は2027年1月の施行を控えており、それまでに大企業によるステーブルコイン関連プロジェクトの発表が相次ぐと見込んでいる。

足元の市場調整局面でもステーブルコインの供給量が安定している点については、前向きな兆候と位置付けた。

さらに、上院で議論が進む暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」も、今後の方向性を占う材料として挙げた。Bitwiseは、今後3カ月が法案審議の行方を左右する重要な局面になるとみる一方、11月の選挙前に処理される可能性は高くないとみている。

同社は、法案が成立すれば今回の弱気相場で底打ちを確認するきっかけになり得ると指摘した。逆に立法が遅れても、暗号資産に友好的な米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の体制下では、業界の成長は続くとの見方を示した。

Bitwiseは、足元のDeFiの相対的な強さについて、機関資金の流入とトークン設計の改善期待を映したシグナルになり得ると評価した。その一方で、指数の特定銘柄への偏重やTVLの減少といった課題も残っており、2026年7〜9月期は規制の進展とステーブルコインの資金フローが実際の市場回復につながるかを見極める局面になると予測している。

キーワード

#DeFi #Bitwise #ビットコイン #ステーブルコイン #米国規制 #TVL
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.