MGは、2027年の投入を視野に入れた小型EVコンセプト「GO!」を公開した。欧州の小型EV市場を見据えたモデルで、次世代の電動ハッチバックに向けたデザインの方向性を示した。
電気自動車メディアのInsideEVsが9日(現地時間)に報じたところによると、MGは「2026 Goodwood Festival of Speed」で「GO!」を披露した。将来の量産小型EVを念頭に置いたコンセプトモデルで、デザインとブランド戦略の両面を示す狙いがあるという。
最大の特徴はデザインだ。丸形ヘッドランプやフロント周りのプロポーション、車体のシルエットは、現行MINIを思わせるとの見方が出ている。MGは、単なるレトロ調ではなく、将来の小型EV像を盛り込んだモデルだと説明している。
MGは「GO!」について、単なるショーモデルではないと強調する。背景には、欧州市場でRenault 5 E-Techのような個性的な小型EVが高い関心を集め、販売面でも存在感を示していることがある。
デザイン面では、MGB GTやMetro Turbo、MG ZR、MG EX4といった自社の代表モデルから着想を得たという。過去の名車をそのまま再現するのではなく、現代の小型EVに個性を与えることを目指したとしている。
量産モデルの具体的な諸元は明らかになっていない。電池容量や航続距離、出力、充電性能などの主要スペックは未公表で、発売時期も確定していない。もっとも、業界では基本的なプロポーションやデザインの方向性を維持しつつ、張り出したフェンダーや大胆なフロントデザインは量産向けに現実的な形へ調整されるとの見方が出ている。車名については、次世代「MG2」となる可能性も取り沙汰されている。
今回のプロジェクトは、MGのブランド戦略の変化を映す動きでもある。SAICによる買収後、MGが投入してきた車種の多くは中国市場向けモデルをベースとしていた。一方、「GO!」は英国ブランドとしての歴史やアイデンティティを積極的に反映した独自色の強いデザインを前面に打ち出している点が差別化要因になりそうだ。
販売戦略上の意味も小さくない。スポーツカー「Cyberster」がブランドイメージの強化を担う一方、今後の小型EVは販売台数の拡大を支える中核モデルになる可能性がある。業界では、量産化の過程でもコンセプトの個性をどこまで維持できるかに加え、価格競争力を確保できれば、Renaultなど欧州勢だけでなく中国系メーカーとも十分に競争できるとみている。
MGの欧州市場での拡大も続いている。MGは最近、欧州で電気自動車を31万7000台超、ハイブリッド車を13万台販売したと発表した。主力EV「MG4」のフルモデルチェンジに加え、半固体電池を採用した小型モデル「MG4 Urban」も公開するなど、電動車ラインアップの拡充を進めている。欧州で販売する車種は、パワートレイン違いの派生モデルを除いて11車種に達するという。
業界では「GO!」を単なるコンセプトカーではなく、MGの次世代小型EV戦略の出発点と受け止める向きがある。量産化の段階でデザインの完成度をどこまで維持できるか、そして価格競争力を武器に欧州の小型EV市場で存在感を高められるかが今後の焦点となりそうだ。