OpenAIは、ChatGPTの新音声モデル「GPT-Live」の提供を全ユーザー向けに順次開始した。同モデルでは、同時発話や割り込みへの対応、リアルタイム翻訳、視覚カード表示などを導入し、音声での対話性を高めた。
米ITメディアのTechRadarが9日(現地時間)に報じた。今回の更新の柱は、ユーザーが話している途中でもChatGPTが応答を返せる、より自然な会話体験にある。
提供内容は無料ユーザーと有料ユーザーで異なる。無料ユーザーには「GPT-Live-1 Mini」、有料ユーザーには「GPT-Live-1」を適用する。モバイル版の音声会話画面上部、またはWeb版のChatGPT選択メニュー内に「Live」と表示されていれば、新モデルが有効になっている。表示をタップまたはクリックすれば、従来の音声モデルに戻すこともできる。
設定画面からも適用状況は確認可能だ。モバイル版ではメニュー内の設定、またはプロフィールから音声メニューに進み、利用中のモデルを確認する。Web版では左下のプロフィールから「設定」「音声」「モデル」の順にたどる。
最大の変更点は会話のテンポだ。ユーザーが話し終える前にChatGPTが返答を始めても、そのまま話し続けることができ、会話の流れに応じて応答を調整する。途中で応答を遮って別の質問に切り替えた場合も、それに合わせて返答を組み直すという。従来の音声モードより、人との会話に近い体験を目指したとしている。
リアルタイム翻訳機能も強化した。ユーザーが音声で話した内容を、ChatGPTが別の言語に即座に翻訳し、そのまま読み上げることができる。
音声会話では応答レベルの調整にも対応した。画面右上の調整アイコンから、音声の応答レベルとして「Instant」「Medium」「High」の3段階を選択できる。OpenAIは、素早い応答が必要な場合はInstant、詳しい回答が必要な場合はHigh、バランス重視ならMediumを推奨している。音声の種類は従来と同じだ。
あわせて、音声モードには視覚カード表示も追加した。スポーツの試合結果、天気予報、地図で探せる場所に関する質問では、音声だけでなく画面上に関連情報をカード形式で表示する。音声のみで完結する仕組みから、画面表示を組み合わせた応答へと広げた形だ。
実際の利用者の反応はおおむね良好で、機能は安定しているとの評価が目立つ。言いよどみやさまざまな話し方にも対応し、人と話している感覚が強まったとする声も出ている。
一方で、初期導入段階では一部の問題も確認されている。Reddit上のQ&Aで、OpenAIのアティ・エレティは、音声モードでChatGPTのメモリー機能が一部のケースで動作しない問題があり、調査を進めていると明らかにした。外国語を英語風の抑揚で発音してしまうケースも報告されており、エレティは今後改善していくとの見方を示した。
今回の更新は、ChatGPTの音声機能を単なる読み上げ中心の補助機能から、リアルタイムにやり取りできる音声インタフェースへ進化させる狙いがあるとみられる。同時発話への対応、同時発話、リアルタイム翻訳、視覚カード表示を一体で提供することで、音声インタフェースの活用範囲を広げた。一方で、メモリー機能との連携や多言語音声の安定性にはなお改善の余地が残る。