B-52の搭載重量拡大とデータ連携強化を狙う兵装パイロン刷新のイメージ。写真=Shutterstock

米空軍は、B-52H戦略爆撃機75機を対象に、翼下兵装パイロンを新型のデジタル対応装備へ刷新する近代化計画を進める。従来装備を置き換え、光ファイバー接続やギガビット級通信に対応した次世代インターフェースを導入することで、兵装統合の高度化と搭載能力の拡大を目指す。

TechRadarが9日付で報じたところによると、この計画はB-52の運用寿命延伸に向けた近代化の一環。パイロンは、翼下にミサイルや爆弾などの外部兵装を搭載するための構造物を指す。

新型パイロンはMIL-STD-1760Eインターフェースに対応する。これにより、機体と精密誘導兵器の間で、誘導や任務、発射に関わるデータを高速デジタルリンクでやり取りできるようになり、最新兵装の統合が進みやすくなる見通しだ。

搭載重量の拡大も柱となる。予算文書では、新パイロンに通常兵器または核兵器を最大2万ポンド(約9.07トン)搭載できることを要件としている。一方で、翼のハードポイント全体の上限は2万8000ポンド(約12.7トン)に据え置く。

既存パイロンは、より軽量な兵装を前提に設計されていた。米空軍の文書によると、当初の設計では外部搭載兵装が5000ポンド(約2.27トン)を超えることは想定していなかった。このため、現在の重量級兵装への対応では構造面の制約が強まっているという。

開発目標は、36カ月以内に重要設計審査(CDR)段階へ到達すること。ただ、実際のスケジュールは、防衛産業各社の技術提案やサプライチェーンの状況によって前後する可能性がある。米空軍は新型パイロンを短期間で設計できる事業者を探す一方、既存装備の改修によって最新の重量級兵装に対応する案も検討している。

初期生産は20〜24基を想定する。初年度に少なくとも12基を導入し、その後は総数約130基規模まで拡大する案が俎上に載っている。新装備は、1960年代から運用されてきた「改良型共通パイロン」を置き換える。既存パイロンの原設計は1959年に始まった。

今回の刷新は、B-52HをB-52Jへ移行させる大規模近代化計画とも連動する。米空軍は、新型エンジンやレーダー、最新アビオニクスの導入とあわせて兵装統合能力の拡大を進め、B-52戦力全体の再構成を図っている。

2027会計年度予算案には、新型パイロンの研究開発費として3000万ドル(約45億円)を計上した。これとは別に、AGM-158空対地長距離ミサイル系列の新たな派生型を統合するため、5000万ドル(約75億円)も要求している。

兵装搭載効率の改善も見込む。更新後は、パイロン1基あたりのJASSM搭載数を従来の6発から8発へ増やせる見通しだ。米空軍は新型パイロンを、B-52の将来の重量級兵装運用を支える中核装備と位置付けている。

一方で、米空軍はB-52の後継プラットフォームに関する検討も並行して進めている。2027会計年度予算案には、長期的な代替プラットフォーム研究向けとして100万ドル(約1億5000万円)を盛り込んだ。

米空軍は、B-52戦力をほぼ100年にわたって運用する構想を描く一方、次世代の後継システム検討も同時に進めている。今回のパイロン刷新は単なる部品更新ではなく、老朽化した爆撃機を最新のデジタル兵装プラットフォームへ転換するうえで重要な節目となりそうだ。

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