韓国の金融当局は、足元でKOSPIの値動きを大きくしている要因の一つとされる単一銘柄レバレッジETFについて、制度の見直しに入った。基本預託金の引き上げをはじめ、投資家向け事前教育の強化、新規上場の抑制などを検討している。
金融投資業界によると、当局は現在1000万ウォン程度となっているレバレッジETFの基本預託金を、3000万〜5000万ウォンへ引き上げる案を検討中だ。
事前教育の大幅な拡充も議論されている。現行は一般課程1時間、上級課程1時間の計2時間だが、これを30時間に増やし、模擬取引の実施や試験合格を必須とする案が浮上している。
単一銘柄レバレッジETFの追加上場を制限する案も検討対象となっている。あわせて、流動性供給者(LP)による気配提示の運用や乖離率の管理も、より厳格に見直す方向だ。
休眠口座に対する投資制限も論点に上っている。過熱した投資心理を冷ますため、投資家の参入ハードルを全般に引き上げる狙いがあるとみられる。
こうした対応については、過去の株式ワラント証券(ELW)問題への当局対応を想起させるとの見方も出ている。当時は商品そのものを廃止するのではなく、基本預託金の導入や超短期売買向け専用回線の制限、異常取引の監視強化などを通じて市場の過熱を抑えた経緯がある。
単一銘柄レバレッジETFを巡る議論は、KOSPIの変動性が急速に高まる中で広がった。韓国取引所によると、KOSPIの日中変動率の日平均は3月の3.79%から6月に5.04%へ上昇し、7月1〜9日には7.22%まで拡大した。
KOSPI200変動性指数(VKOSPI)も、3月平均の62.51から7月には87.18へ上昇した。日平均売買代金は3月の30兆1429億ウォンから6月には50兆3471億ウォンとなり、約67%増えた。
もっとも、市場では単一銘柄レバレッジETFだけを変動拡大の主因とみるのは難しいとの指摘もある。世界的な半導体株への集中、海外投資家の売り、米国の政策金利引き上げ懸念など、マクロ経済を巡る不確実性が重なったとの分析だ。
大統領秘書室も、関連制度を補完する可能性に言及した。キム・ヨンボム大統領秘書室政策室長は10日のブリーフィングで、単一銘柄レバレッジETFについて「導入から間もない制度であり、補完が必要であれば市場状況点検会議で判断されるのではないか」と述べた。
キム室長は、企画財政部、金融委員会、韓国銀行、金融監督院が参加する市場状況点検会議で市場動向を確認していると説明した。その上で、制度運営の過程で市場にどのような影響が出るのかについても綿密に点検する方針を示した。
金融投資業界では、投資家保護の仕組みを補強する必要性にはおおむね同意がある。一方で、上場廃止や過度な売買規制に踏み込めば、市場の混乱をかえって広げかねないとの懸念もくすぶる。単一銘柄レバレッジETFに加え、半導体株への集中、信用取引、派生商品、パッシブ資金の流入動向まで含めて総合的に点検すべきだとの声が出ている。