OpenAIは7月10日、GPT-5.6とCodexを基盤とする業務支援AI「ChatGPT Work」を発表した。複数のアプリやファイルにまたがる情報を統合し、文書やスプレッドシート、プレゼン資料、Webアプリといった成果物の作成を支援する。
ChatGPT Workは、プラグイン、内蔵ブラウザー、PC操作機能、定期タスク機能を備える。ユーザーが席を外している間も、反復作業や長時間に及ぶ業務を継続して処理できるようにする。
同サービスは、同日正式公開した最新モデルGPT-5.6を基盤に動作する。
定期タスク機能は、設定したスケジュールや特定のイベントをきっかけに、反復業務を自動実行するものだ。例えば、顧客フィードバックを毎日監視して優先順位付きの製品アイデアに整理したり、新たなフィードバックを受信した際にプレゼン資料を自動更新したりできる。
プラグインでは、ChatGPTをSlack、Microsoft Teams、Google Drive、Microsoft SharePoint、メール、カレンダー、顧客関係管理(CRM)、プロジェクト管理ツールなどと連携する。ユーザーはプロンプトで「@」とアプリ名を入力し、特定アプリの文脈を参照するよう指定できる。
「Sites」機能もベータ版として公開する。業務やアイデアをインタラクティブなサイトやWebアプリとしてまとめ、URLで共有できる。OpenAIは、リアルタイムダッシュボードやプロジェクト管理ツール、プロトタイプ、社内ポータルなどへの活用を想定している。
デスクトップアプリには、内蔵ブラウザーとPC操作機能を追加する。PC操作機能は、画面のクリックやテキスト入力、ファイル移動などをユーザーに代わって実行する。
OpenAIはChrome拡張機能も刷新する。従来のChatGPT専用ブラウザー「Atlas」は段階的に終了し、既存のデスクトップアプリは「ChatGPT Classic」に名称変更する。既存のCodexアプリ利用者は、アップデート後に新しいChatGPT Workへ自動的に切り替わる。
性能面では、GPT-5.6の3つのファミリーモデルのうち「Sol」が、コーディング、知識労働、サイバーセキュリティ、科学分野で最高性能を示したとする。OpenAIによれば、従来モデルや競合モデルより少ないトークン数、低コストで処理を実行できるという。
長時間の専門業務の遂行能力を測る「エージェントの最後の試験」では、Solは53.6点を記録し、Claude Fable5を13.1点上回った。中間レベルの推論設定でも、約4分の1のコストで11.4点高い性能を示したとしている。
「ArtificialAnalysis Coding Agent Index」では80点で過去最高を更新した。OpenAIは、Fable5と比べて出力トークン数と作業時間はいずれも半分以下、想定コストは約3分の1低いとしている。
知識労働の評価では、BrowseCompで92.2%、OSWorld 2.0で62.6%を記録し、いずれも最高値を達成した。OSWorldでは、Opus4.8に比べてトークン使用量を85%削減しながら、より高い性能を示したという。
サイバーセキュリティ評価の「ExploitBench 2」では73.5%となり、GPT-5.5の47.9%を上回った。実在するソフトウェア脆弱性を実行可能な攻撃コードとして実装する能力を測る「ExploitGym3」では、2時間基準の通過率がGPT-5.5の15.1%から24.9%に上昇し、6時間基準では33.7%まで高まった。
ChatGPT Workは10日から、Webとモバイル向けにPro、Enterprise、Eduの利用者へ順次提供する。PlusとBusinessにも数日以内に対象を広げる。デスクトップアプリは同日から、MacとWindows向けに無料プランを含む全世界の利用者へ提供する。
OpenAI Koreaの統括代表を務めるキム・ギョンフン氏は、「ChatGPT Workは、AIが単に質問に答えるツールを超え、ユーザーの文脈を理解し、実務をともに完遂するパートナーへ進化していることを示すものだ」とコメントした。その上で、「韓国の企業や個人が反復業務から解放され、重要課題に集中し、アイデアを成果として実装できるよう支援する第一歩になる」と述べた。