XRP Ledger(XRPL)上のAIエージェント決済で、XRPの利用が大きく伸びている。Rippleの米ドル連動ステーブルコイン「RLUSD」の取引が減少する一方、決済資産を自動で選ぶ環境では、処理速度と手数料の面でXRPが優先される傾向が強まっている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、9日(現地時間)時点の集計では、XRPLのAIエージェント決済におけるXRPの使用量は77%増加し、RLUSDの取引量は32%減少した。市場では、AIによる自動決済の重心がRLUSDからXRPへ移りつつあるとの見方が出ている。
こうした動きは、金融プロトコル「ClawBank」の取引急増と重なっている。ClawBankに接続する67のサービスは、直近24時間で7630件の取引を処理した。累計取引件数が8469件であることを踏まえると、累計の約9割が直近24時間に集中した計算になる。
取引の大半では、決済手段としてXRPが使われた。背景にあるのが、AIエージェント決済を支援する「x402」プロトコルだ。データ購入やコンピューティング資源のレンタルといった機械間取引で、XRPとRLUSDのうち最適な決済資産を自動的に選ぶ仕組みとなっている。
足元の統計では、ネットワーク負荷が高まるほど、AIエージェントがXRPを優先する傾向が確認された。固定的に低い手数料と高速な処理能力が、選好の背景にあるとみられる。
一方、RLUSDの取引量は同じ期間に32%減少した。市場では、ステーブルコインが価値保存の役割を担う一方、継続的な小口決済はXRPが担う構図が形成されつつあるとの解釈が出ている。米ドル連動のRLUSDは価値保存向け、頻繁な機械間の少額決済はネイティブトークンであるXRPが担うという役割分担だ。
この動きは、XRPLベースのAI経済が拡大局面にあることも映している。XRPLで処理されたAI関連の累計取引は100万件を超えた。
取引の多くはAIインフラ関連サービスで発生した。最も多くの取引を記録したのは、分散型GPU資源を提供するDePINネットワーク「Heurist Mesh」で、約40万5000件を処理した。これにAIオペレーティングシステム「LucyOS」が約36万件で続いた。
市場では今回の変化について、XRPLベースのAI経済において、どの資産が実際の決済手段として定着していくかを示す初期シグナルと受け止める声がある。AIエージェントが自律的に決済資産を選ぶ環境で、速度とコスト効率を重視してXRPを選択した点は、今後のAIサービス拡大を占う上でも注目材料となりそうだ。
今後の焦点は、AIを介した商取引の規模がさらに拡大した場合にも、この決済パターンが維持されるかどうかにある。足元の流れが続けば、XRPLエコシステムではステーブルコインよりも、ネイティブトークンのXRPがAIエージェント経済の中核的な決済手段として定着する可能性がある。