ビットコインが約5カ月にわたり主要なコスト基準線を下回って推移している。弱気相場が最終局面に近づいている可能性はあるものの、底入れを確認するにはなお材料不足だ。The Crypto Basicが9日、こうした市場分析を伝えた。
報道によると、ビットコインは2月初旬以降、トゥルー・マーケット平均の7万6600ドルと、短期保有者のコスト基準線である7万2200ドルを下回っている。
直近1週間では、5万8300ドル前後から一時6万4400ドルまで持ち直した。ただ、依然として両水準は回復できていない。
オンチェーン分析企業のGlassnodeは、こうした値動きについて弱気基調の継続を示すものだと分析した。過去には、価格がコスト基準線を下回る期間が長引く局面ほど、底形成の初期段階と重なる傾向があったという。ただし、今回もすでに底入れしたと断定するのは難しいとしている。
Glassnodeは、底入れが確認される前に、実現価格である約5万3000ドル付近まで一段安となる可能性があると警戒感を示した。市場は「ディープバリュー圏」に入っているものの、明確な底打ちシグナルは確認できないという見立てだ。
今回の下落局面では、長期保有者が主な売り手となっている。長期保有者が全体の実現損失に占める比率は、2月初旬の15%から足元では43%まで上昇した。
高値圏で買った投資家は数カ月にわたり含み損を抱えながら保有を続けてきたが、弱気相場の長期化で相場への確信が薄れ、売却に動いているとみられる。
長期保有者の調整済み実現損失も、1日当たり約2億8000万ドル(約420億円)まで膨らみ、2022年12月以降で最高となった。Glassnodeはこれを、現在の弱気相場で生じた2度目の大規模な投げ売り局面と位置付けている。
もっとも、前回の投げ売り局面と比べると、売り圧力はいまだ収束していない。市場がまだ「売り圧力の枯渇」段階には至っていない可能性を示している。
機関投資家マネーの動きには一部で改善の兆しもあるが、回復は限定的だ。ビットコイン現物ETFの1日平均資金流出は、1億9300万ドル(約290億円)から8890万ドル(約133億円)へ縮小した。
ただ、流出ペースが鈍っただけで、純流入への転換には至っていない。
ETFの日次売買代金も6億5000万ドル(約975億円)から9億5000万ドル(約1425億円)程度にとどまった。2025年10月のピークと比べると約80%低く、機関投資家の参加が意味のある水準まで戻ったとは言いにくい。
デリバティブ市場のセンチメントは、極端な弱気からやや和らいだ。オプション市場のプット・コール比率は0.56まで低下し、2026年に入って最低水準を記録した。
下落に備える需要の後退を示す一方で、オプション市場では追加下落に対するヘッジ需要がなお残っている。
底形成を最終的に確認するには、なお複数の条件を満たす必要がある。長期保有者の売りが鈍化し、ETFの資金フローが安定することに加え、ビットコイン価格がトゥルー・マーケット平均や短期保有者のコスト基準線といった主要水準を回復することが求められる。
こうした条件がそろうまでは、弱気相場が終盤に差しかかっている可能性は示せても、本格反転を判断するのは難しい。