Micron株が9日の米株式市場で急伸した。米国内の半導体サプライチェーン強化に向けた追加投資と、長期の米国投資計画の増額を発表したことが好感され、終値は前日比7.90%高の1023.79ドルとなった。前日の終値は948.80ドルだった。
CNBCによると、Micronは同日、米国の半導体サプライチェーン強化に向けて最大30億ドルを追加投資すると発表した。あわせて、2035年までの米国投資計画も拡大する方針を示した。
今回の投資は、生産能力の拡大に加え、原材料の調達基盤を米国内で強化する狙いがある。台湾に本社を置くGlobalWafersがテキサス州の施設でウエハーの開発・生産を拡大できるよう、5億ドルを投じる支援策も盛り込んだ。
Micronはあわせて、原材料となるシリコンウエハーについて10年間の供給契約を締結した。
Micronの最高調達責任者(CPO)、ベン・テソネ氏はリリースで、「中核素材の安定確保は、Micronの長期的な成長と技術ロードマップを支えるうえで不可欠だ」とコメントした。
別途公表した内容では、米国投資の総額も引き上げた。Micronは2035年までに米国へ2500億ドルを投じる計画で、従来計画から約500億ドルの増額となる。
同社は、投資拡大の背景としてAIインフラの拡大に伴うメモリ需要の急増を挙げた。
市場では半導体関連銘柄にも買いが広がった。Micronのほか、Applied Materials、KLA、Lam Research、Arm Holdingsもそろって上昇した。
Micron株は2026年に入ってから約250%上昇しており、5月には時価総額が初めて1兆ドルを突破した。AI演算向けメモリ需要の拡大を受け、同社は米国内の複数都市で新設・増設投資を進めている。
本社を置くアイダホ州ボイシーでは2つの新工場を建設中で、9日にはニューヨーク州クレイの新工場で初回のコンクリート打設を実施した。Micronは、この施設が完成すれば米国の半導体製造施設として過去最大規模になるとしている。
今回の発表は、半導体の増産には生産能力の拡大だけでなく、ウエハーなど基礎素材の安定確保が欠かせないことを改めて示した形だ。Micronは10年契約の締結を通じて、長期の調達基盤を固めた点を強調している。
今後は、投資計画の実行ペースと、米国内サプライチェーン強化の進捗が焦点となる。2500億ドル規模の計画が実際の供給能力拡大につながるかに加え、半導体製造装置各社や関連サプライヤーへの波及効果がどこまで続くかも注目される。