ビットコインのイメージ写真=Shutterstock

ビットコインは10日、暗号資産デリバティブ取引所Deribitで14億ドル規模のオプション満期を迎える。市場では、米10年債利回りの上昇が重荷となるなか、6万2000ドル近辺の下値を維持できるかが最大の焦点となっている。

Cointelegraphによると、ビットコインは同日、6万3000ドル台を回復した。ただ、市場では大型のオプション満期に加え、米10年債利回りの上昇も意識されており、警戒感はなお残っている。

最大の変数とみられているのは米金利の動向だ。米10年債利回りは4.6%に接近しており、市場では米政府債務の拡大や、景気後退回避に向けた追加の政策対応の可能性を巡る不透明感が反映されているとの見方が出ている。

こうした環境下でも、Nasdaq100指数は過去最高値から4%安の水準を維持している。一方、ビットコインは方向感を欠き、もみ合いが続いた。

株式市場への資金集中も逆風だ。AI関連株の強さが続き、リスク資産のなかでも暗号資産から株式へ資金が向かう流れが意識されている。

半導体関連では、Arm Holdingsが10%上昇し、AMDとMicronもそれぞれ7%高となった。市場では、こうした上昇が他の投資先から資金を引き寄せる要因になっているとの見方がある。

需給面では、ビットコイン現物ETFが8日に8500万ドルの純流出となった。ただ、この規模だけで機関投資家マネーの流れが反転したと判断するのは難しい、というのが足元の市場の受け止めだ。

オプション市場では、直近4日間はコールオプションの取引量がプットオプションを上回っており、下落に備える需要はやや後退している。

今週の満期分を権利行使価格帯でみると、市場参加者の思惑は比較的明確だ。6万2500ドル以下のコールオプションは1億3700万ドル、6万1000ドル以上のプットオプションは1億2100万ドルとなっている。

ビットコインが満期時点までに6万3500ドルを上回れば、強気筋の優位は1億9000万ドルに拡大する。一方、6万1000ドルを下回った場合でも、弱気筋の優位は1億ドル程度にとどまる見通しだ。

このため、新たな悪材料が出ない限り、売り方が積極的に下値を試す動機は大きくないとの見方もある。

もっとも、短期的な値動きはマクロ要因にも左右される。中東地域で一時的な停戦が実現すれば、景気後退懸念が和らぎ、債券市場の資金がリスク資産に向かうきっかけになり得る。

逆に、イランを巡る戦争が激化して原油価格が上昇すれば、市場の重荷は再び強まる可能性がある。市場は今後1週間、米金利の落ち着きどころと原油相場の再上昇の有無を見極める構えだ。

足元ではプット需要が大きく膨らんでおらず、6万2000ドルの支持線が直ちに大きく崩れる可能性は限られるとの見方が出ている。ただ、短期的な自律反発があったとしても、上昇基調の定着にはマクロ環境の後押しが欠かせない。

ビットコインが今回のオプション満期を波乱なく通過し、6万3500ドルを上回れば、もみ合い相場を抜け出す余地がある。一方で、米金利やリスク選好の流れに変化がなければ、上値は引き続き重くなりそうだ。

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