全北・全州市で開かれた「第6回 包括金融大転換会議兼 地域金融懇談会」で発言するキム・ヨングォン金融委員長。写真=聯合ニュース

金融委員会は9日、郵便局での銀行代理業の実証事業や、地方銀行とインターネット銀行による共同融資、自治体と連携した共生保険の拡大を柱とする地域金融アクセス改善策を公表した。銀行店舗の縮小で生じた金融空白を埋め、高齢者や地域の中小企業・小規模事業者が、身近な窓口や非対面チャネルを通じて融資や保険にアクセスしやすくする狙いだ。

同日、全北地方中小ベンチャー企業庁で開いた「第6回 包括金融大転換会議兼 地域金融懇談会」で明らかにした。郵便局が対面の金融接点を担い、企業向け融資では地方銀行の審査力とインターネット銀行のデジタルチャネルを組み合わせる。保険分野では、保険業界の共生基金と自治体の連携により、脆弱層の保障を補完する。

◆20の総括郵便局で銀行代理業を実証

金融委員会は20日から、全国20の総括郵便局で銀行代理業の実証事業を始める。対象地域は、コソン、チャンニョン、ハドン、チョンヤン、テアン、タニャン、クェサン、クレ、タミャン、ヨングァン、ハムピョン、ポンファ、チョンド、ソンジュ、イムシル、スンチャン、コチャン、ピョンチャン、ファチョン、フェンソンで、銀行店舗へのアクセスが低い地域を想定している。

銀行代理業は、利用者が近隣の郵便局で主要銀行の融資商品について相談・申請し、各行の審査結果を比較したうえで契約手続きに進める仕組みだ。郵便局で融資相談を申し込むと、銀行側が審査を行い、金利と限度額を提示する。利用者は郵便局で条件を比較し、契約手続き後に銀行の最終承認を経て融資を受ける。

対象商品は、4大銀行であるKB国民銀行、Shinhan Bank、Woori Bank、Hana Bankの個人向け信用融資と、政策庶民金融商品「セヒマンホルシ」。各行の個人向け信用融資1商品とセヒマンホルシ1商品の計8商品を扱う。実証段階では無担保の家計向け信用融資から取り扱いを始める。

一般の信用融資の限度額は商品ごとに最大5000万ウォン〜1億ウォン(約550万〜約1100万円)程度。セヒマンホルシは最大3500万ウォン(約385万円)の範囲で提供する。

銀行各行は実証事業の利用者向け優遇策も用意した。KB国民銀行、Woori Bank、Hana Bankは0.2ポイントの金利優遇を適用し、Shinhan Bankは個人向け信用融資の繰り上げ返済手数料を免除する。

開始当初の運営を円滑にするため、実証対象の郵便局には担当職員を配置する。事業開始後1〜2週間は銀行職員も派遣する予定だ。

◆地方銀行とインターネット銀行の共同融資も推進

地域の中小企業と個人事業者を対象とした共同融資も進める。地方銀行とインターネット銀行が連携し、インターネット銀行のアプリで申請を受け付け、両行が審査と融資実行を分担する枠組みだ。

借り手はインターネット銀行の非対面チャネルから融資を申請し、両行が企業情報や信用情報、定性情報などをもとに限度額と金利を共同で決める。最終承認後は、地方銀行とインターネット銀行が一定の比率で資金を分担して融資を実行する。

金融当局は、この仕組みによって地域の中小企業・小規模事業者の金融アクセス向上と金利負担の軽減が期待できるとみている。インターネット銀行は地方銀行に比べて調達コストが低く、デジタルプラットフォームを活用できる。一方、地方銀行は地域密着型の企業審査や融資後の管理に強みを持つためだ。

地方銀行にとっては顧客接点の拡大につながり、インターネット銀行にとっては家計融資偏重だった与信構成を中小企業・個人事業者向けへ広げる効果も見込む。

金融委員会は今月中に革新金融サービスの指定可否を検討し、システム開発などを経て、2027年中の商品投入を後押しする方針だ。

◆共生保険で地域のセーフティーネットを補完

保険分野では、300億ウォン規模の共生基金を活用し、自治体内の脆弱層に無償でカスタム型保険を提供する共生保険事業を拡大する。地域の金融セーフティーネットを補完する取り組みの一環と位置付ける。

保険業界は昨年9月、全北と初めて共生保険事業に関する業務協約を締結した。これに基づき、来月には全北で傷害保険や火災保険など、小規模事業者向けの総合保険を無償提供する。今後は全北を皮切りに、7つの自治体へ対象を広げる計画だ。

共生保険は、独居高齢者など脆弱な高齢層への支援や、気候変動・技術変化に伴う保障ニーズへの対応にも拡大する。独居高齢者向けには、傷害保険とヘルスケアサービスを組み合わせたパッケージを提供し、転倒事故の治療・回復費のほか、健康相談や服薬案内などを支援する。

気候分野では猛暑、豪雨、寒波に対応する保険を、技術分野ではボイスフィッシングやメッセンジャーフィッシングなど電気通信金融詐欺の被害を補償する保険を検討する。

金融委員会は、協議が整った自治体、公共機関、政策金融機関から順次、保険業界との業務協約を進め、2027年1〜3月期に見直した保険商品の導入を目指す。

◆地方銀行は包括金融向けの規制緩和を要望

会議では、地域金融の現場から銀行代理業の拡大や、需要に応じた金融支援の必要性も提起された。地方銀行は、政策庶民金融や小規模事業者向け借り換え融資など、包括金融の性格を持つ融資について規制負担の軽減を求めた。

こうした融資が増えるほど、預貸率や自己資本比率を含む健全性規制上の負担が重くなり得るためだ。包括金融向け融資が一般融資と同様に健全性指標へ反映されれば、地域向け資金供給の拡大を制約しかねないとして、預貸率の算定方式やリスクウェイトの調整など、政策面での補完を要請したとみられる。

金融業界関係者は「地方銀行が地域の小規模事業者を支えるため積極的に金融支援を行おうとしても、既存の健全性規制がそのまま適用されれば機動的に動きにくくなる」としたうえで、「公益目的の融資については負担軽減を求めた」と説明した。

金融委員会は、自治体や郵政事業本部、金融監督院など関係機関とともに現場の要望を検討し、地域密着型の包括金融モデルが安定的に定着するよう支援するとしている。

キム・ヨングォン金融委員長は「政府はこれまで、政策金融機関による地方への資金供給拡大とあわせ、民間金融の地方向け優遇金融に向けた規制の合理化やインセンティブ整備など、制度基盤を整えてきた」と述べた。そのうえで「地域住民や中小企業、小規模事業者が日常の中で直接実感できる、生活に身近な金融政策を推進していく」と語った。

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