写真=KT。パク・ユニョンKT代表は7月6日、ソウル市広津区のプルマン・アンバサダー・ソウル・イーストポール・ホテルで就任後初の記者懇談会を開き、「AXプラットフォーム・カンパニー」戦略を説明した。

KTは、AI利用で発生する「トークン」の管理・最適化を担う「トークン・ファクトリー」を新事業として育成する。通信事業で培った課金ノウハウを生かし、トークンの供給、ルーティング、課金・精算を一体で支援することで、新たな収益源につなげる考えだ。

パク・ユニョンKT代表は7月6日、ソウル市広津区のプルマン・アンバサダー・ソウル・イーストポール・ホテルで、就任後初の記者懇談会を開催し、「AX(AI転換)プラットフォーム・カンパニー」戦略を発表した。この中で、トークン・ファクトリーを将来の成長事業として打ち出した。

トークン・ファクトリーは、AIサービスの利用過程で発生するトークンを、より低コストかつ効率的に供給する事業モデルだ。トークンは、AIモデルがテキスト、画像、コードなどを処理する際の基本単位で、モデル利用料を算定する主要な基準でもある。

Goldman Sachs Researchは、エージェンティックAIの普及に伴い、世界のトークン消費量が2026年から2030年にかけて24倍に増え、月間120京トークンに達すると予測している。KTは、企業にとって重要なコスト要因となりつつあるトークン費用を管理対象とし、そこから収益機会を生み出す構想だ。

同社が重視するのは、「ルーティング」と「課金」の2点だ。顧客のリクエスト内容を分析し、最適なモデルにつなぐ「トークン・ゲートウェイ」を構築する。AIサービス利用の入口で、複数のモデルに対する振り分けを担う仕組みと位置付ける。

トークン・ファクトリーでは、顧客リクエストを分析したうえで、自社モデルや外部の大規模言語モデル(LLM)など複数の選択肢から、コスト、品質、遅延などを踏まえて最適な経路に振り分ける。不要に高価なモデルを呼び出す回数を減らし、全体のトークン使用量と推論コストの抑制につなげる考えだ。

あわせて、全国分散型の1GW規模のAIデータセンター(AIDC)と、自社モデルを含むトークン最適化エンジンも組み合わせる。トークンの生成、仲介、課金を一括で支援するプラットフォームの構築を目標としている。

パク・サンウォンKT AX事業本部長は懇談会で、「最も安く、最も効率的にトークンを生産・供給することが核心だ」と述べた。GPU(グラフィックス処理装置)やNPU(ニューラルネットワーク処理装置)などのリソースを最適化してトークン生成コストを下げるほか、コンテキストベースの自動ルーティング技術によってトークン使用量を最小化する方針を示した。

KTによると、通信3社の中でトークン・ファクトリーを新事業モデルとして打ち出したのは同社が初めて。事業化に成功すれば、トークンの生成、仲介、課金支援の各段階で、プラットフォーム手数料や従量課金型の売上を確保できるとしている。

一方、トークン・ファクトリーを中核事業として定着させるには、ルーティング精度やコスト削減効果の実証が課題となる。自社モデルと外部モデルをどの基準で接続するか、企業のセキュリティ要件にどう対応するかも焦点になりそうだ。

パク代表は「誰がどれだけトークンを使ったかを正確に精算する必要があり、これは通信事業者が最も得意とする領域だ」と強調した。長年にわたり多様な結合商品や複雑な料金プランを運用してきた課金能力とAIDCを組み合わせ、新たな収益モデルを構築するとともに、ファウンデーションモデル企業との協業も進める考えを示した。

またKTは、AXカンパニーへの転換を加速するため、情報セキュリティやネットワークなど通信の基盤強化に今後3年間で12兆ウォン(約1兆3200億円)、AIDCなどAXインフラに6兆ウォン(約6600億円)を投じる。投資総額は18兆ウォン(約1兆9800億円)に達する計画だ。

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