Kioxiaは6日、北上工場第2製造棟で生産したAIデータセンター向け次世代メモリのサンプル出荷を開始したと発表した。顧客による性能評価を経て量産に移行する予定で、今後は需要動向に応じて生産能力も段階的に引き上げる。
今回出荷を始めた製品は、AIの普及で需要拡大が続くデータセンター向けの高性能メモリ。Kioxiaによると、既存製品に比べてデータ処理速度を約33%向上させ、電力効率も高めた。AIサーバーで求められる大容量データ処理と省電力の両立に対応する。
生産は、岩手県北上市にある北上工場第2製造棟の最新設備で行う。同施設は2022年に着工し、2025年9月に稼働を開始した。最先端の製造装置や自動搬送システムを備えている。
工場内では、ウエハーや製品をレールに沿って自動搬送し、無人化生産体制で処理するという。
Kioxiaは同日、第2製造棟を報道陣に初公開するとともに、生産拡大方針も示した。第2製造棟がフル稼働した場合、北上工場の生産能力は第1製造棟のみの稼働時に比べて約2倍に拡大する見通しだ。
市場環境に応じて、未稼働の生産区画にも装置を順次投入し、生産量を増やす計画。AIデータセンターやクラウドインフラ向け投資の拡大を見据え、供給能力を柔軟に高める考えだ。
需要が想定を上回って拡大した場合には、第3製造棟の新設も検討対象になるとしている。AI時代のメモリ需要増に対応し、中長期の生産基盤を強化する狙いがある。
オオタ・ヒロオ社長は「AI活用が急速に拡大している」としたうえで、「第2製造棟の生産を拡大し、市場の成長に対応したい」と述べた。
AIサーバーやデータセンター向け投資が拡大するなか、NANDフラッシュや高性能ストレージ市場を巡る競争は一段と激しくなりそうだ。Kioxiaは新製品の投入と生産能力の拡充を並行して進め、需要取り込みを急ぐ。