データテック企業のBigvalueは、クルム代表が前農林畜産検疫本部書記官のホン・スンギルとの共著書『国家知能』(パクヨンサ)を刊行したと明らかにした。書籍では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)リスク予測モデルの構築・運用事例を軸に、韓国の行政がAI導入にとどまらずAXへ移行するための条件を整理している。
出版社によると、同書はBigvalueと農林畜産検疫本部が共同で構築したHPAIリスク予測モデルを中心に構成した。行政におけるAI活用を、単純な導入段階から組織や業務のあり方を変えるAXへどう発展させるかをテーマとしている。
内容面では、RPAなどの単純な自動化にとどまらず、行政の判断構造や業務の進め方そのものを見直すAXの方法論を、実際の運用事例に基づいて示した。
HPAIリスク予測モデルは、車両GPS、渡り鳥の移動、衛星画像など約80種類の異種データを統合分析し、感染リスクの高い農場を抽出する仕組みで、防疫担当者が優先的に点検すべき対象の選定を支援するシステムだという。
著者らは、AI活用を前提としたデータ設計、説明可能なAI(XAI)、現場での受容性、省庁横断の連携設計など、行政AXを機能させるための条件を段階的に提示したとしている。あわせて、多くの公共AI事業が報告書作成や実証事業にとどまる構造的な要因についても分析した。
クルム代表は「Bigvalueと農林畜産検疫本部が数年かけて築いてきた行政AX転換の歩みを記録した成果だ」とコメントした。さらに「単なる成功事例の紹介ではなく、韓国の公共部門がAI時代に何を変えるべきかについて、実証に基づく示唆を盛り込んだ」と説明した。
その上で「AIはエンジンだが、AXはそのエンジンで実際に走れるよう、組織とシステムを作り直すことだ」と述べ、「この本をきっかけに、公共AX分野の主要なリファレンスづくりに貢献したい」と語った。