写真=聯合ニュース。パク・ユンヨンKT代表は6日、ソウル市広津区のプルマン・アンバサダー・ソウル・イーストポールで記者懇談会を開き、AX企業戦略を発表した。

KTは7月6日、今後3年間で計18兆ウォンを投資し、「AX(AIトランスフォーメーション)プラットフォーム企業」への転換を加速すると発表した。情報セキュリティ・IT・ネットワーク分野に12兆ウォン、AIデータセンター(AIDC)拡張に5兆ウォンを投じるほか、トークンファクトリーやステーブルコインなど新規事業も本格展開する。

パク・ユンヨンKT代表は同日、ソウル市広津区のプルマン・アンバサダー・ソウル・イーストポールで就任後初の記者懇談会を開き、今後の成長戦略を説明した。パク代表はAX企業について、「主役となる顧客やパートナーが力を発揮できるよう支えるイネーブラーだ」と位置付け、「パートナーとともに新たなAXビジネスモデルをつくっていく」と述べた。

KTは、公共、産業、個人の各領域でAXを通じた成長を後押しする企業ビジョンを打ち出した。経営の軸として「強固な本質」と「確かな成長」を掲げ、両者が循環する事業構造の構築を目指す。

◆情報セキュリティ・IT・ネットワークに3年間で12兆ウォン

基盤強化に向けた投資のうち、情報セキュリティ・ITとネットワーク分野には3年間で約12兆ウォンを充てる。昨年発生した不正な少額決済事故を受け、セキュリティ投資を積み増す方針を示していた。

内訳は、情報セキュリティ・IT改革に4兆ウォン、ネットワーク分野に8兆ウォン。情報セキュリティ・ITへの投資額は過去3年間の2倍に当たり、ネットワーク投資は2026年下期から2027年にかけて重点配分する。

セキュリティ面では、「何も信頼せず、常に検証する」というゼロトラストの原則に基づき、全社的な防御体制を再構築する。常時の予防・対応体制の整備に加え、クラウドネイティブ化を進め、IT基盤の安定運用を図る。ITとネットワークに分散しているセキュリティ運用ガバナンスも統合し、迅速かつ透明性の高い危機対応体制を整える。

情報保護最高責任者(CISO)と個人情報保護責任者(CPO)は分離する。外部専門家の登用や情報セキュリティ人員の倍増に加え、産学研による諮問委員会の設置、ホワイトハッカーとの連携、共同研究や新規事業の発掘など、外部との協業も強化する。

人材育成では、ソウル大学と連携してセキュリティ分野の修士課程プログラムを新設する。新卒採用も例年より拡大し、140人規模まで増やして人材確保を進める。

ネットワーク分野では、顧客が実感できる品質向上と競争力の底上げに軸足を置く。ネットワーク品質を事前に診断・改善する体制を整え、6G、衛星、データセンター相互接続(DCI)など次世代ネットワークの中核技術で主導権の確保を狙う。

あわせて、資産整合率の自動管理体制を構築し、資産情報の最新化や脆弱施設の点検を専担する人員も配置する。

衛星分野では、静止軌道(GEO)と低軌道(LEO)を組み合わせたマルチ衛星体制を直接管制・運用し、通信主権の確保を目指す。KTは50年以上にわたり蓄積してきた衛星の管制、運用、サービスのノウハウを基に、現在GEO衛星5機を運用している。

今後はグローバルパートナーシップを通じてLEO領域にも事業を広げ、国内の衛星エコシステムを主導する考えだ。

◆AIDCを1GW増強、海底ケーブル投資も拡大

インフラ分野では約5兆ウォンを投資し、需要を見極めながら総容量1GWのAIDCを追加構築する。大規模学習・推論に対応する中央AIDCと、産業現場周辺に拡充するAIエッジを接続し、フィジカルAIや自動運転時代に必要な超低遅延のリアルタイム推論環境を全国で提供することを目標に掲げた。

海底ケーブル投資も拡大する。AIDCと連動してグローバルで海底ケーブルトラフィック需要が増えることを見込み、1兆ウォンを投じて供給能力を90Tbps以上積み増す計画だ。

拡充したインフラを土台に、グローバル大手テック企業による韓国内AIDC投資の呼び込みも進める。韓国をアジアのAX接続ハブへ育成する構想も示した。

サービス面では、金融、公共、製造、医療などの基幹需要に対応する業種特化型のB2B向けAX実行ツールを提供する。金融分野では、これまでの金融DX事業の実績を基盤に、AIコンタクトセンター(AICC)やセールスエージェントなど、エージェント型AIの展開を業種別に広げる。

公共分野では、ソブリンAIを基盤とした信頼性重視のAIサービスで、政府のAX需要を取り込む。製造・医療分野では、科学技術情報通信部によるロボット基盤モデル実証など政府の実証事業への参加を通じ、フィジカルAI事業を拡大する。

B2Cでは、顧客主導の高度にパーソナライズしたAXを打ち出す。顧客自身が設計できる料金プランや特典、利用パターン分析に基づく最適提案、加入から問い合わせまでの全工程のデジタル化を進める。

パク代表は、複雑な料金体系や、通信会社が定めた枠内でしか選べない特典、加入から相談までに伴う煩雑な手続きを減らす狙いがあると説明した。

◆トークンファクトリーとステーブルコインを新たな成長領域に

KTは新たな成長分野として、「トークンファクトリー」と「ステーブルコイン」事業を本格化する。特にトークンファクトリーについては、AI時代を見据えた中核の新規事業になるとの見方を示した。

AI時代の新たな経済単位としてトークンへの関心が高まる中、通信網運用で蓄積してきた課金・精算のノウハウをAI事業へ広げる考えだ。

KTは、全国に分散配置する1GW規模のAIDCと、自社モデルを含むトークン最適化エンジンを組み合わせ、トークンの生成、仲介、課金支援に対応するトークンファクトリーを構築する。パク代表は「課金は通信会社ほど得意なところはない」とした上で、「トークンゲートウェイ方式に課金能力を組み合わせ、新たなビジネスにつなげる」と述べた。

ステーブルコインを基盤とするデジタル金融プラットフォーム市場にも参入する。KTグループは、K Bankの1600万人の顧客基盤、BC Cardの350万加盟店と決済・精算能力、KTの超低遅延・高信頼ネットワークとセキュリティインフラ、さらに提携エコシステムを組み合わせる。

発行、保管、精算、ネットワーク転送、実利用エコシステムまでを含むバリューチェーン全体の対応力を生かし、制度変更にも対応できる事業モデルを準備する方針だ。

グローバル展開も本格化する。KTはAIDCやAIモデルなどのAXインフラ事業を基盤に、トークンファクトリー、ステーブルコイン、フィジカルAIといったAXソリューションを段階的に組み合わせ、事業モデルを高度化する。

対象地域はASEANにとどまらず、新興国を含むグローバルサウス市場まで広げるロードマップを整えた。

パートナー戦略も多角化する。Microsoftとは、双方にメリットのある協業の在り方を引き続き模索する。パク代表は「KTの多くのクラウド資源がMicrosoft Azure上で安定的に運用されている点に変わりはない」と述べ、「協力はこれまで通り順調に進んでいる」と語った。

このほか、GoogleやPalantirなどのグローバルAI企業に加え、Upstage、Rebellions、Saltluxなど国内AI企業にも協力範囲を広げ、顧客の選択肢拡大につなげる。

一方、業界では、KTがAX企業への転換を加速する過程でKT Cloudを再統合するのではないかとの見方も出ている。これに対しKTは、多方面で協業案を検討しているとしている。

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