金とビットコイン(写真=Shutterstock)

伝説的トレーダーとして知られるピーター・ブラント氏が、保有するビットコインの一部を売却し、金に資金を振り向けることを検討していると明らかにした。金・ビットコイン比率(XAUBTC)の反転シグナルを根拠に、当面は金がビットコインを相対的に上回る可能性が高いとみている。あわせて、ビットコインについては9〜10月にかけてトレード可能な底を付ける可能性があるとの見方も示した。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが5日(現地時間)に報じたところによると、ブラント氏は今後、金がビットコインに対して明確な強さを示す公算が大きいと判断したという。

同氏が根拠として挙げたのは、自身が示した「金・ビットコイン比率」のチャートだ。これまで同指標は、ビットコインが金を大きく上回ってきた流れを映してきたが、直近数年は上昇の勢いが鈍化。足元では、ラウンドボトムを示唆する反転シグナルが出ていると解釈している。

ブラント氏はSNSで、「ビットコインの一部を売り、その資金を金に回すべきか検討している」と投稿。「金はビットコインに対して大きく上昇する」との見方を示した。

特に注目しているのが、金・ビットコイン比率が上昇チャネル内で反発に転じつつある点だ。2025年に金が対ビットコインで下落分の一部を取り戻して以降、この流れが続いているとみている。

今回の発言は、ブラント氏が足元のビットコイン相場に慎重な見方を示してきた流れの延長線上にある。同氏は今夏初めには、トレーダーは追加下落や「最後の暴落」の可能性を排除すべきではないと警告していた。

当時は「10月まではトレード可能な底は見つからないだろう」とも述べている。根拠として挙げたのは、過去15年間の市場で確認されてきた強い循環パターンだ。こうしたサイクルが維持される場合、今年9月または10月に投資判断に値する底が形成される可能性が高いとしている。

もっとも、同氏が長期見通しまで弱気に転じたわけではない。年初には、ビットコインの長期目標として2029年9月または10月に30万〜50万ドルへ到達するシナリオを示していた。足元の変動に耐えられる長期投資家であれば、次の大局的な高値局面がその時期に訪れる可能性があるとの見方だ。

市場全体のリスクシグナルを指摘する声もある。Bloomberg Intelligenceのストラテジスト、マイク・マクグローン氏は、ビットコインが「インフレ後のデフレ・サイクル」を先取りする指標のように動く可能性があるとみている。

同氏は、金と米国株が同時に警告シグナルを発しているとも指摘した。金とS&P 500の60日相関が、データベース上で1975年以降の最高水準に達したとし、暗号資産市場の下落が「炭鉱のカナリア」になり得ると警告。今年後半に株式市場が緩やかに下押しするだけでも、連鎖的な下落リスクが高まる可能性があるとみている。

市場の焦点は大きく2つある。1つは、金の対ビットコイン優位が実際に定着するかどうか。もう1つは、ブラント氏が示した通り、ビットコインが9〜10月にかけて追加下落やボラティリティ拡大を経て底打ちするかどうかだ。

短期的には、金・ビットコインの相対強度と株式市場の調整の有無が、暗号資産相場を左右する主要変数となりそうだ。

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