Clarity Actが8月の休会前に採決・成立へ進むかが注目されている。写真=Reve AI

米国の暗号資産関連法案「Clarity Act」の成立見通しが持ち直している。法執行団体の一部で反対姿勢が和らぎ、予測市場では成立確率が55%まで上昇した。焦点は、8月の休会前に上院で採決に持ち込めるかどうかに移っている。

Blockchain系メディアのU.TodayやCointelegraphなどが5日(現地時間)に報じたところによると、予測市場PolymarketではClarity Actの成立確率が55%と見込まれている。数日前には40%を下回っていたが、その後持ち直した。

背景にあるのは、法執行団体の姿勢の変化だ。National Organization of Black Law Enforcement Executives(NOBLE)は先週、Clarity Actへの支持を正式に表明した。主要な法執行団体が同法案を公に支持するのは初めてという。

これまで一部の法執行団体は、Clarity Actが違法金融に悪用される余地を広げかねないとして懸念を示していた。一方、NOBLEは、同法案は捜査当局や検察が日常的に用いる既存の連邦刑事上の権限を変更するものではないとの見方を示した。

Major County Sheriffs of America(MCSA)も、従来の反対姿勢を撤回し、中立の立場に転じた。MCSAはティム・スコット上院銀行委員長とエリザベス・ウォーレン上院議員に送った書簡で、Clarity Actに対する立場を中立に見直したと説明した。

MCSAは5月14日付の書簡で、第604条に懸念を表明していた。この条項は、分散型プラットフォームの利用者による違法行為に関連し、開発者責任の扱いに関わる内容とされる。MCSAは、同条項が犯罪者に悪用され、暗号資産犯罪の捜査を難しくする恐れがあると主張していた。

もっとも、MCSAが修正要求まで取り下げたわけではない。MCSAは、財務省に分散型金融(DeFi)と違法金融リスクの調査を求める第309条について、州レベルの法執行機関も対象に含めるよう求めている。

MCSAのボブ・グアルティエリ会長は、詐欺、薬物密売、ランサムウェア、児童搾取、テロ資金供与に結び付くデジタル資産関連犯罪が一段と高度化していると指摘。議会に対し、地方の捜査機関へ訓練、技術、資源を提供する必要があると訴えた。

一方で、立法日程はなお厳しい。7月初旬時点で、Clarity Actは上院本会議での採決に至っておらず、7月4日までにも目立った進展はみられなかった。

遅れの背景には、上院内の意見対立に加え、他の法案との優先順位を巡る競合がある。銀行業界では、ステーブルコイン関連の利回り商品が規制されていない預金商品に近い機能を果たし、既存の銀行システムから大規模な資金流出を招く可能性があるとして、利回りの制限を求める声が出ている。

業界側の働きかけも続いている。Coinbase、Ripple、Krakenを含む200社超は、上院での採決を求めている。RippleはワシントンD.C.でClarity Actを巡るモバイルキャンペーンを開始し、シンシア・ルミス上院議員は「今動かなければ、次の機会は2030年まで来ない可能性がある」と警告した。

次に採決へ進む可能性がある時期としては、議員が7月13日の休会から復帰した後が有力視されている。最終的な法案文言も近く公表される可能性がある。

Clarity Actを巡っては、規制の明確化に加え、捜査権限や違法金融対策も政治的な争点となっている。法執行団体の反対がやや後退したことは上院審議に前向きな材料だが、地方捜査機関への支援や条文修正を巡る調整はなお残る。今後は最終法案の内容と採決日程が最大の焦点となる。

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