写真=エレクトロニカ上海2026の会場案内(撮影:ソク・デゴン記者)

7月1〜3日に上海新国際博覧センター(SNIEC)で開かれた「エレクトロニカ上海2026」は、展示規模だけでなく、会場内外に広がる独自の商圏や取引風景を通じて、中国電子産業の厚みを映し出した。会場には2032社が出展し、W1〜W5、N1〜N5の計10ホール、約12万平方メートルを使用した。

会場内では10数台のシャトルバスがホール間を常時往復した。端のホールから反対側までの移動は徒歩だけでは難しく、各停留所には入場バッジを首から下げた来場者が列をつくって次の便を待っていた。

展示会のスケールは、出展内容だけでなく周辺の風景にも表れていた。会場内のコンビニには、ブース間を移動する来場者が立ち寄り、飲料や軽食を買って再び商談に戻る姿が目立った。

会場外にもすぐに利用できる飲食スペースが設けられ、昼時にはバッジを下げた来場者で席が埋まった。数万人規模が3日間にわたって滞在する空間は、それ自体が一つの商圏として機能していた。

一方で、こうしたにぎわいとは対照的に、入場管理は厳格だった。各ゲートには手荷物検査の設備が設けられ、来場者はバッグをベルトコンベヤーに載せて検査を受けた。半導体やコネクター、センサーなどの試作品や技術資料が集まる展示会だけに、出入りの管理にも神経を使っている様子がうかがえた。

会場内では、名刺だけを集めて回る人の姿も目立った。ブースを訪れ、担当者に短くあいさつして名刺を受け取ると、すぐ次のブースへ向かう。

ある出展企業の関係者は「企業担当者の名刺だけを集めて売買するブラックマーケットもある」と話す。2032社の実務担当者や購買決裁者が集まる場では、連絡先そのものに商品価値が生まれるほど、「人」が持つ情報の価値が大きいことを示していた。

◆ブース担当者も「客」に 会場周辺に広がる別市場

出展企業そのものが営業対象になる場面もあった。小規模事業者の関係者がブースを訪れ、自社のクリーナー製品をその場で実演しながら売り込むケースだ。

ブースの一角で製品を磨いて見せると、見ていた担当者がその場で代金を支払い、商品を受け取ることもあった。会期中、各ブースに常駐する実務担当者は、こうした事業者にとって一カ所に集まった見込み客でもある。

部品や装置の売買を目的とする展示会が、その周縁では別の市場も生み出していたことになる。

ブースを確保できなかった企業向けのミーティングスペースも設けられていた。会場の一角では、ブースなしで来場した企業関係者がテーブルごとにノートPCや資料を広げ、実務レベルの打ち合わせを進めていた。

その傍らでは、次の順番を待つ人が資料を手に待機する姿も見られた。混雑した会場の騒音の中でも商談が続く光景は、この展示会が単なる展示の場にとどまらず、実際の取引の現場でもあることを物語っていた。

シャトルバス、コンビニ、手荷物検査、名刺取引、ブース内外での営業、そしてミーティングスペースまで――。3日間の会場で見られたこうした風景は、中国電子産業に人と資金が大規模に集まっている現実を映していた。

もっとも、この生態系は韓国企業にとって脅威にもなり得る。匿名を条件に取材に応じた韓国企業の担当者は、「中国はまさに一つの生態系だ」とした上で、「巨大市場の可能性を見込んで事業をしているが、中国は現地化を通じて自国の産業エコシステムに取り込み、技術の内製化につなげていく。長期的には難しさもある」と語った。

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