ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインが長期価格モデル上の重要な支持線に近づいている。もっとも、Fidelity Investmentでグローバル・マクロ運用を統括するジュリアン・ティマー氏は、資金流入の弱さや流動性の鈍化を踏まえ、足元で底打ちを判断するのは尚早だとの見方を示した。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、ティマー氏は3日(現地時間)、ビットコインが長期の「パワーロー」支持線に接近していると指摘した。

パワーローは、ビットコインの価格推移を対数チャート上で捉え、上値抵抗線、中間トレンド線、長期支持線の3つの軸で分析する長期モデル。ティマー氏が示したチャートでは、現在の長期支持線は5万8237ドルに位置している。

このモデルが注目されるのは、過去の下落局面で実際の安値が概ね支持線近辺で下げ止まってきたためだ。2015年の安値は230ドルで、モデル上の支持線は252ドル。2018年は実際の安値が3204ドル、支持線は2521ドルだった。2022年も安値は1万6366ドルで、支持線の1万5006ドルを上回った。特に2018年以降は、実際の安値がいずれもモデルの水準を上回っている。

ただ、ティマー氏は、支持線への接近だけで反発を見込むのは難しいとみている。短期の投機資金が、代替的な価値保存先より先端技術分野へ流れているほか、現在のマクロ環境には相場反転を後押しする明確な強気材料が見当たらないと述べた。

慎重な見方を裏付けるのが、チャート下段のプレミアム指標だ。この指標は、市場価格が支持線をどの程度上回っているかを示すもので、過去の強気相場では乖離が大きく広がっていた。もっとも、ティマー氏によれば、足元ではそのプレミアムがほぼ解消された状態にあるという。

世界的な通貨供給の伸びが鈍化するなか、ビットコインが12万ドルを超えた局面で付いていた投機的プレミアムも消失したとの見方だ。

今後の上昇余地を左右する条件として、ティマー氏は流動性の回復を挙げた。支持線近辺から相場が明確に上放れるには、グローバルベースで追加の流動性供給が必要だとしている。足元では、価格が支持線に近いこと自体よりも、支持線の上で再びプレミアムを積み上げられる環境が整うかが焦点になる。

長期支持線が再び試されるなかで、当面はマクロ環境が値動きの方向性を左右する公算が大きい。長期モデルが過去に複数回、下値の目安として機能してきたことは材料だが、ティマー氏はそれだけをもって短期的な底打ち確認とはみていない。

マクロ環境の改善が見られるまでは、ビットコインが支持線近辺でもみ合う展開も想定される。

市場の注目点は大きく2つある。1つは、5万8237ドル付近の長期支持線を今回も維持できるか。もう1つは、鈍化したグローバル流動性と消えた上昇プレミアムが回復に向かうきっかけが現れるかどうかだ。CoinPostは今回の見方について、テクニカルな下値シグナル以上に、マクロの資金フローがなお重要な変数であることを示していると伝えた。

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