Humanity Protocolは、本人認証やブロックチェーン関連事業を見直し、企業向けAI製品へ事業の軸足を移す。先月発生した3600万ドル規模の資産流出とHトークンの急落を受けた動きだ。
The Blockによると、同社創業者のテレンス・クォック氏は番組「The Starting Block」に出演し、過去6〜9カ月にわたって事業方針の見直しを進めてきたと説明した。今回のハッキングによって、その転換が前倒しされたという。
ハッキングはスマートコントラクトの不具合によるものではなく、開発者のノートPC1台が侵害されたことが発端だった。クォック氏によれば、フィッシングメールは複数のチームメンバーに送られたものの、クリックには至らなかった。一方で、攻撃者はHumanity Foundation関係者の秘密鍵にアクセスしたという。
オンチェーン分析では、プロジェクト関連ウォレットから3200万ドル超が流出したと推計されている。攻撃者が複数のチェーン上でトークンを発行・売却したことで、Hトークン価格は約89%下落した。
クォック氏は、流出資金を回収できる可能性について「極めて低い」との見方を示した。昨年、Ethereum上で約14億ドルが盗まれたBybitの事例を挙げ、回収よりも再建を優先していると説明した。再建策の柱は、新規トークンの発行と財団主導の補償手続きになるとしている。
Humanity Protocolはこれまで、「人間であること」の証明を基盤とした認証ブロックチェーンの構築を進めてきた。対象領域は雇用、資産、信用評価に関する認証へと広がり、Mastercardとは資産証明分野で協業してきた。クォック氏は、登録者数が約1000万人に達し、このうち数百万人が認証を完了したと明らかにした。