KB Financialは7月3日、次期会長候補を6人に絞り込み、本格的な選考手続きに入った。金融当局による金融持株会社向けガバナンス改善策の公表が遅れる中でshortlistが先行して確定したことで、選考の透明性と公正性が改めて問われる展開となっている。
KB Financialの会長候補推薦委員会は同日の会合で、内部候補4人と外部候補2人の計6人を次期会長候補のshortlistとして決定した。
内部候補は、ヤン・ジョンヒKB Financial会長、イ・ジェグンKB Financial部門長、イ・チャンクォンKB Financial部門長、イ・ファンジュ国民銀行頭取の4人。外部候補には、クォン・グァンソク前Woori Bank頭取と、本人の要請で氏名を公表しない候補者1人が含まれる。
今回のshortlist確定により、ヤン会長の続投は正式に選択肢として浮上した。今後は、内部昇格の流れが強まるのか、外部候補がどこまで実質的な競争力を持ち得るのかが焦点になる。もっとも、外部候補のうち1人は非公表のため、競争構図の全体像は見えにくい。
推薦委は今後、6人を対象に来月27日に1次面接を実施し、候補を3人に絞り込む。続いて9月11日に3人を対象とした2次面接を行い、最終候補1人を確定する。最終候補は、関連法令に基づく適格性審査と推薦委、取締役会の手続きを経て、11月の臨時株主総会で次期会長に選任される見通しだ。
◆業績と株主還元がヤン会長続投論を後押し
最大の関心は、ヤン会長が続投するかどうかだ。任期は11月20日まで。金融業界では、就任後に業績面と株主還元の両面で成果を上げたことから、再任の可能性を高くみる声が出ている。
KB Financialは2025年、連結ベースの当期純利益が5兆8430億ウォンとなり、前年比15.1%増で過去最高を更新した。2026年1〜3月期も純利益は1兆8924億ウォンと、前年同期比11.5%増だった。
2025年の総株主還元率は52.4%で、2023年の38.0%から14.4ポイント上昇した。主導的地位を巡る金融グループ間の競争が続く中でも、安定した収益力と還元拡大を同時に示したことが、ヤン会長にとって追い風になっているとの見方がある。
◆当局の改善策遅れで、選考の公正性検証に重み
一方で、今回の人選は業績だけで評価しにくい側面もある。金融当局が進める金融持株会社のガバナンス改善策が、なお最終確定していないためだ。
当初、イ・チャンジン金融監督院長は、KB Financialの1次shortlist公表前に改善策を公開する考えを示していた。しかし、最終調整が長引き、現時点でも確定していないとされる。このためKB Financialは、新たなガバナンス基準が示されないまま、先に1次候補を固める格好となった。
ガバナンス改善論議は、昨年末に金融業界の最高経営責任者(CEO)選任手続きが閉鎖的だとの問題提起が出たことを受け、本格化した。金融当局は年初にタスクフォースを立ち上げ、3月の株主総会シーズン前に改善策を打ち出す方針を掲げていたが、公表時期はずれ込み続けた。
3月には発表日程が取り沙汰されたものの撤回され、その後も当局内の詳細調整や大統領室の裁可手続きが長引き、最終案の公表が遅れているとみられている。
金融業界では、今月中旬に予定される大統領向け業務報告の前後に改善策が公表される可能性があるとの見方が出ている。ただ、KB Financialはすでに1次候補を決めており、新基準が示されてもshortlistの結果に直ちに反映させるのは容易ではないとの観測がある。このため、8月の2次絞り込みと9月の最終候補選定では、推薦委がどのような判断基準と検証手法を示すのかに一段と注目が集まりそうだ。
改善策には、CEO承継手続きの透明性強化、社外取締役の独立性向上、候補者プール管理体制の整備、成果報酬制度の見直しなどが盛り込まれる見通しという。なかでも、金融持株会社トップの長期在任をけん制するための再任制限や総任期制限の制度化が主要論点として挙がっている。現職会長に近い取締役会が後任選びを主導する慣行を抑え、社外取締役が独立して候補者を検証できる体制づくりが柱になる見込みだ。
◆承継手続きの信頼性確保がカギに
こうした状況を踏まえ、KB Financialの推薦委の役割も一段と重要になっている。推薦委は社外取締役のみで構成され、候補者の検証を担う。内部、外部の候補を同一基準で評価し、外部候補にも実質的に競争できる条件を整えられるかどうかが、手続きの信頼性を左右する。
KB Financial側も、選考の公正性向上に力を入れている。主要株主の意見を聴取し、外部候補にも十分な準備期間を与えるなど、候補者検証プロセスを補完してきたとしている。
これまでも、内部候補は組織理解や情報アクセスの面で有利だとの指摘が繰り返されてきた。外部候補が形式的に名を連ねるだけでなく、実際に競争可能な立場に置かれるかどうかが、今回も重要な論点となる。
チョ・ファジュン推薦委員長は、「透明で客観的な候補者検証・評価を通じ、株主と顧客の信頼に応える最良のCEOが選任されるよう、引き続き努める」と述べた。
金融業界関係者は「KB Financialの会長選びは、金融持株会社のガバナンス改善策の議論と時期が重なっており、注目度が高い」と指摘。そのうえで「過去最高の業績と株主還元の実績を背景に、ヤン会長の続投論が勢いづく可能性は大きい。ただ、改善論議が進む中で、例年より厳格な検証基準が適用されるかどうかも見極める必要がある」と話した。