Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は2日、Cardanoで過去最大級となるアップグレードが近づいていると明らかにした。ADA価格の低迷やガバナンスを巡る緊張が続く中でも、ネットワークは安定して稼働しており、基盤は引き続き堅調だと強調した。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」によると、同氏はコミュニティ向けの最近の更新で、ネットワークの信頼性こそがブロックチェーンの健全性を示す重要な指標だと説明した。
同氏は、Cardanoはこれまでハッキング被害を受けたことがなく、ブロック生成も止まることなく安定して続いていると述べた。こうした運用実績は、短期的な相場の変動や市場心理とは切り離して、インフラの安定性を示すものだとの見方を示した。
また、Cardanoは「史上最大規模」のアップグレードを控えているとも言及した。今回の更新は、技術面の進展とスケーラビリティ改善を伴う次の段階への移行であり、ネットワークの成熟が進む中で、インフラ強化とユースケース拡大の契機になると説明した。
具体的な重点分野として挙げたのがRealFiだ。RealFiはDeFiと実体経済をつなぎ、オンチェーン流動性を融資や信用市場で活用するプロジェクトで、同氏は、すでに構想段階から実装段階へ移行しつつあるとした。RealFiのテストネットは6日に公開する予定で、その後まもなくメインネット展開を進める見通しだという。
あわせて、Cardanoエコシステム内でビットコインDeFiを拡大する取り組みにも触れた。同氏は「Fortune」イニシアチブを通じ、ビットコイン保有者がビットコイン経済圏から完全に離れることなく、Cardano基盤のDeFiサービスを利用できると説明。これにより、より大きな流動性と利用者層を取り込めるとの見方を示した。
プライバシー重視のパートナーチェーン「Midnight」も重要な柱に位置付けた。同氏は2026年を「Midnightベータの年」とし、今年の優先課題は幅広い普及に向けた準備だと述べた。開発は速いペースで進んでおり、MidnightのリリースプロセスがCardanoのパートナーチェーンモデルを実証しているとも評価した。専門特化型のチェーンをCardanoと並行して運用しつつ、より広いエコシステムとセキュリティモデルの恩恵を受けられるとしている。
今回の発言は、Cardanoの存在感低下を指摘する声が強まる中で出た。ADAは0.20ドル(約30円)を下回る水準で推移しており、CoinMarketCapベースの時価総額順位は16位にとどまっている。価格低迷に加え、ガバナンスを巡る緊張や中核主体の離脱が続き、プロジェクトは事実上終わったとする見方も出ていた。
ただ、同氏はこうした批判を退けた。自身が関与しなくてもCardanoは存続し、進化を続けるとした上で、市場心理がプロジェクトの長期的な将来を決めるものではないと強調。トークンを巡る流れは短期間で大きく変わり得るとも語った。
一連の発言は、Cardanoを短期的な価格ではなく、技術の蓄積や実用性で評価すべきだとの立場を改めて示したものと受け止められる。同氏はMidnight、RealFi、ビットコインDeFiといった主要施策の進展を挙げ、否定的な市場心理や一時的な停滞感があっても、エコシステムの拡大は続いていると重ねて訴えた。