写真=Reve AI

暗号資産市場で、個人投資家の資金流入が大きく細っている。Binanceに流入するビットコインは足元でクジラ(大口保有者)が中心となっており、個人マネーの流入は過去最低圏に近づいている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが2日(現地時間)に伝えた。CryptoQuantのアナリスト、ダークプロストは、1BTC未満の入金を個人投資家の参加度合いを測る指標として分析。この水準が過去最低圏にあると指摘した。

背景には、市場心理の冷え込みがある。ビットコインが6万ドル近辺で推移するなか、個人投資家の間では大幅な値上がりや高い収益を期待しにくくなっているという。

実際、Binanceに流入する個人資金は今局面で大きく減少した。ダークプロストによると、個人投資家がBinanceへ送るビットコインは足元で1日平均329BTCにとどまる。2021年5月のピーク時は1日4900BTCで、そこから大幅に落ち込んだ。

同氏は、最近の暗号資産市場が事実上、個人不在のまま進行しているとの見方を示した。

個人投資家の離脱要因としては、ビットコイン現物ETFの普及も挙がる。ETFを通じて自己保管の手間を負わずにビットコインへのエクスポージャーを持てるようになり、取引所へ直接資金を入れる必要性が薄れた可能性がある。

市場では、個人投資家がクジラの利益確定の受け皿となるのを避け、より明確な上昇シグナルを見極めようとしているとの見方も出ている。

もっとも、個人資金が完全に消えたわけではない。資金は暗号資産以外の資産にも分散している。

Binanceはトークン化株式の取引プログラムで運用資産が10億ドルを超えた。また、個人投資家の資金が貴金属や、直近で上昇した韓国総合株価指数(KOSPI)関連へ向かったことも確認された。

ミームコインやVC系トークン、既存アルトコインに対する信認低下が、伝統資産への選好につながったとの見方だ。

市場内部では、クジラと個人投資家の温度差も浮き彫りになっている。クジラ対個人のデルタ指標では、足元で大口保有者のほうが個人より強気な姿勢を示している。

市場では、クジラがより多くの情報と確信を持つ先行指標になり得るとの見方もある。新たな暗号資産の物語が生まれ、分散型金融(DeFi)や取引所の流動性が回復すれば、個人投資家が再び追随する可能性があるという。

一方で、個人投資家の心理が冷え込むなかでも例外はあった。最近ローンチされたインフルエンサー・トークン「ANSEM」は、時価評価額が1億ドルに達した。

これは、ミーム市場が適切な材料さえあれば短期間で活況を取り戻し得ることを示す事例でもある。現時点では例外的な動きにとどまるものの、個人投資家が暗号資産市場から完全に離れたわけではないことを示す兆候とも受け止められている。

個人資金が再び取引所や主要トークンへ戻るだけの心理改善シグナルがいつ現れるのか。市場の関心はその一点に集まっている。

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