ビットコイン市場で、含み損を抱えるコイン量が含み益のコイン量を上回った。一方で、長期保有者や一部の大口保有主体は買い増しに転じており、相場には底入れを探る初期の動きも見え始めている。
CryptoSlateが7月2日(現地時間)に伝えたところによると、オンチェーン分析会社のGlassnodeはレポートで、現在約1083万BTCが含み損の状態にあり、含み益の状態にあるコインは約922万BTCだったと明らかにした。
含み損のコイン量は観測対象全体の約54%を占め、含み益は46%にとどまった。差は約161万BTCとなる。Glassnodeは、今回の強気相場が始まって以降、投資家の収益性が最も急速に悪化した局面の一つだと分析した。さらに、この水準を超えると、新規買い手を中心に実際の投げ売りが出た過去の例があるとも指摘した。
もっとも、ネットのポジション変化は再びプラス圏に戻った。積み増しのペース自体は過去の蓄積局面ほど強くないものの、方向転換した点に意味があるという。Glassnodeは、こうした初期シグナルは価格に先行して現れることがあり、経験のある保有者が下落局面を買い場と判断した際に見られやすいと評価した。
実際、蓄積の強さは複数のウォレット区分で同時に高まった。アキュムレーション・トレンド・スコアでは、1BTC未満のウォレットと100~1000BTCを保有する主体で特に強い積み増しが確認された。1000~1万BTCの区分も純買いに転じており、小口から中規模の保有主体まで買いが広がっていることを示している。
その一方で、米国で取引されるビットコイン現物ETFは純流出が続いている。Glassnodeは、ETFからの資金流出が足元の価格低迷を説明する一方、オンチェーンデータはその売り圧力を誰が吸収しているかを示していると分析した。
現物市場とデリバティブ市場の温度差も鮮明だ。CoinbaseとBinanceの板では、現値の下方に買い注文が厚く並び始めており、下値を支える需要が形成されつつあることを示している。価格自体はなお弱含みだが、押し目では買い意欲が見られる。
デリバティブ市場では、Hyperliquidでロング偏重がGlassnode集計で最高水準まで高まった。レバレッジを使った参加者が、現物市場の底入れ確認を待たずに反発を見込んだポジションを積み増している格好だ。現物市場が底固めを進める間に、デリバティブ市場が先に反発を織り込みにいっている構図といえる。
オプション市場では、14日物ベースでみたプットに対するコールの出来高比率が1.0を上回り、1年ぶりの高水準を記録した。インプライド・ボラティリティも低水準から上昇しているが、なお市場が全面的な恐怖局面に入ったと断定するほどではないとの見方だ。
今後の焦点は、ETFの資金流出ペースが鈍るか、そして長期保有者の蓄積が続くかどうかにある。ETFからの流出が和らぎ、長期保有者や複数のウォレット区分の買いが夏場も続けば、含み損を抱える投資家の売りを、より強い手が吸収する底値圏が形成される可能性がある。逆に、Hyperliquidで積み上がったロングが清算され、ETF流出も続けば、含み損保有者による追加の投げ売りが一段と出る余地も残る。
Glassnodeは、足元の動きを依然として進行中の初期的な底打ち形成プロセスと位置付けた。長期保有者の買いは、過去の大規模な蓄積局面と比べるとなお限定的で、回復の流れも脆弱だとみている。今回のビットコイン相場は、機関投資家の離脱、弱い手の投げ売り、強い手による吸収という異例の順序で底入れが進む可能性がある。