オープンソースAIを巡る規制強化の動きは、ビットコイン黎明期と似た構図にあるとする分析が示された(写真=Reve AI)

オープンソースAIを巡る規制論争が、ビットコイン黎明期の局面と重なって見える――。米投資調査会社 Brownstone Researchは1日(現地時間)、オープンソースAIへの統制強化の流れが、かつて暗号資産業界に向けられた圧力と似た経路をたどっているとする報告書を公表した。ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが伝えた。

報告書が焦点を当てたのは、オープンソースモデルのリスクを強調することで、クローズドモデルの正当性が相対的に高まる構図だ。Brownstone Researchは、その起点の一例として、2023年7月の米議会でのAnthropicの最高経営責任者(CEO)、ダリオ・アモデイ氏の発言を挙げた。

アモデイ氏は当時、多くの科学分野においてオープンソースは有益だとしつつ、これまで公開されてきたオープンモデルのリスクは比較的限定的だったと説明。一方で、オープンソースモデルの発展方向は「非常に危険な道」に向かう可能性があると警鐘を鳴らしたという。

Brownstone Researchは、こうした主張が政策面でオープンソースモデルの制限強化につながり、結果としてクローズドモデルをより安全な選択肢として押し上げる可能性があるとみる。この構図は、デジタル資産市場では過去にも繰り返し見られたと指摘した。

報告書では、ビットコイン黎明期の事例にも言及した。2014年に米議会で初めてビットコインを購入したジャレッド・ポリス下院議員の例や、ジョー・マンチン上院議員がビットコインを危険な通貨だとして禁止を促した事例を挙げている。

さらに、2023年に規制当局が暗号資産を銀行システムから切り離そうとしたとされる「チョークポイント2.0」論争も、同じ流れの延長線上にあると位置付けた。

もっとも、暗号資産業界はそうした圧力の中でも存続し、制度整備は前進している。報告書は、米議会で現在、GENIUS法案の成立やCLARITY法案の推進を通じて、より明確なルールづくりへ移行しつつある点も示した。

Brownstone Researchは、分散型AIもいま同様の対立局面に入ったとみている。

足元の動きとして挙げたのが、アクセス管理の厳格化だ。米国の輸出規制によりAnthropicの最新モデルの配布が制約を受けるなか、利用者の本人確認を前提にアクセスを認める「許可制」の仕組みへ移行する可能性が高まっているとした。

OpenAIもGPT-5.6の配布先を信頼できるパートナーに限定しており、こうした措置は、本人確認を前提とした許可制アクセスの拡大につながり得ると分析している。

背景には、国家安全保障上の懸念があるという。報告書によると、米国家安全保障局(NSA)の幹部であるジョシュア・ラッド氏は、マーク・ワーナー上院議員を通じて、Anthropicの「ミトス」モデルが数週間ではなく数時間で、ほぼすべての機密システムに侵入し得ると説明したとされる。

一方で、オープンソース陣営と先端モデルの性能差は急速に縮小しているとも指摘した。Brownstone Researchは、GLM-5.2が2月時点でAnthropicのSonnet 4.6と同水準の性能を記録したと明らかにした。

その結果、オープンモデルは最先端モデルに対しておおむね3~4カ月遅れの水準まで迫っており、今秋には「ミトス」やGPT-5.6に対抗する公開モデルが登場する可能性があると予測した。

分散型AIの中核的な推進力としては、ネットワークベースの学習構造を挙げた。BitcoinやEthereumのようなP2Pネットワークを活用して計算資源を集約し、モデル学習に充てる手法が広がっていると説明している。

また、分散学習の規模はこの2年で、10億未満のパラメータ水準から1000億パラメータ規模へ拡大したと指摘した。

初期プロジェクトとしては、未使用のMacコンピュータを活用して低コストの非公開推論を支援するDark Bloom、分散型推論ネットワークのc0mpute、消費者向けGPUを分散接続してAIを学習させるPluralisを挙げた。

今後は、より多くのプロジェクトがトークンを発行し、計算資源の提供者に報酬を支払う仕組みを採用するとの見通しも示した。

報告書は、オープンソースAIへの規制が強化されても、分散型AIの拡大を容易に止めることはできないと結論付けた。規制を巡る不確実性や高い変動性は残るものの、ビットコイン黎明期と同様に、長期的な成長機会を生み出す可能性があるとしている。

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