ウィンクルボス兄弟 写真=Shutterstock

暗号資産取引所Geminiの創業者であるウィンクルボス兄弟が、約6000万ドル(約90億円)相当のビットコインと約700万ドル(約10億円)相当のイーサリアムをGeminiに移したことが確認された。相場が弱含む局面での大口移動だけに、市場では売却観測が広がっている。

ブロックチェーン関連メディアのU.Todayが1日(現地時間)に伝えた。ビットコインが5万9000ドル台で推移し、相場の重さが意識されるなかで確認された動きという。

オンチェーンデータプラットフォームのArkham Intelligenceによると、兄弟は最近、保有するビットコインの一部をGeminiに移した。移動の目的は明らかにしていないが、今回の資産移動は過去の売却時のパターンに似ているとの見方が出ている。

市場の受け止めは分かれている。兄弟は2015年以降のビットコイン保有で約17億ドル(約2550億円)の利益を得たとされており、変動の大きい相場で追加利益の確保を狙った動きとの見方がある。一方で、ビットコインが底値圏にあるとの見方もあるなか、大口資産を取引所に移すのは得策ではないとの声も出ている。

もっとも、取引所への移動だけで実際の売却と断定することはできない。現時点では、その後の売却や外部送金などの動きは確認されておらず、現金化ではなく資産配分や保管方法の見直しにとどまる可能性もある。

移動先がGeminiだった点も市場の関心を集めた。Geminiはウィンクルボス兄弟が共同設立した取引所で、外部の取引所に送るケースに比べると、売却以外の目的も想定しやすいためだ。実際の売却なのか、内部アカウントの整理なのか、あるいはカストディ戦略の変更なのかは、追加の動向を見極める必要がある。

一般に、大口保有者が資産を取引所へ入金すると、潜在的な売り圧力と受け止められやすい。長期保管用ウォレットから取引所ウォレットへ資産が移ることで、すぐに売却されなくても売却可能な状態になったと解釈されるためだ。短期投資家の間では、今回の資産が実際に市場へ流入するのか、それとも別のウォレットへ再移動するのかを見極めようとする動きが強まっている。

今回の移動は、ビットコインが短期的な支持線を試すタイミングと重なった点でも注目される。相場が弱い局面で初期の大口保有者による大規模な移動が確認されると、市場心理は一段と敏感になりやすい。ただ、過去には取引所入金のあとも実際には売却されなかった例があり、オンチェーン上の移動だけで方向感を決めつけるのは難しい。

焦点は、今後の取引があるかどうかだ。Gemini内で当該資産がそのまま保有されれば、保管方法の変更や流動性管理とみる余地がある。一方、外部への出金や大規模な売却注文が確認されれば、市場の重荷になる可能性がある。

市場の関心は、今回の移動が実際の売り圧力につながるかどうかに集まっている。ビットコインが弱含みで支持線を試すなか、大口保有者の資産移動は投資家心理を左右しかねない。もっとも、現時点では入金後の追加の動きは確認されておらず、実際の売却の有無は今後のオンチェーン動向を見守る必要がある。

キーワード

#ビットコイン #イーサリアム #Gemini #暗号資産 #オンチェーン
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.